覚醒剤乱用者にみられた非A非B型急性肝炎の集団発生例

約1年の間に5人の覚醒剤乱用者グループの全員にみられた非A非B型急性肝炎例を経験した.これらの症例は注射器を共用し覚醒剤の静脈注射するといういわゆる“回し打ち”を行い,いずれも急性肝炎の発症を認めた.覚醒剤乱用と肝炎発症の関連について検討した結果,通常のB型,非B型急性肝炎に比べ潜伏期の長いことが推察された.回復期に行った肝生検像は,慢性活動性肝炎の所見であった, 覚醒剤による弊害は現在大きな社会問題となっており,これによるB型肝炎の報告は散見されるが,非A非B型肝炎の報告は本邦では文献上みあたらず興味ある集団発症例と思われる....

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Published in肝臓 Vol. 30; no. 12; pp. 1726 - 1730
Main Authors 平川, 淳一, 大畑, 充, 山内, 眞義, 中原, 正雄, 藤沢, 洌, 木村, 和夫, 佐藤, 泰雄, 亀田, 治男, 中山, 一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本肝臓学会 1989
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ISSN0451-4203
1881-3593
DOI10.2957/kanzo.30.1726

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Summary:約1年の間に5人の覚醒剤乱用者グループの全員にみられた非A非B型急性肝炎例を経験した.これらの症例は注射器を共用し覚醒剤の静脈注射するといういわゆる“回し打ち”を行い,いずれも急性肝炎の発症を認めた.覚醒剤乱用と肝炎発症の関連について検討した結果,通常のB型,非B型急性肝炎に比べ潜伏期の長いことが推察された.回復期に行った肝生検像は,慢性活動性肝炎の所見であった, 覚醒剤による弊害は現在大きな社会問題となっており,これによるB型肝炎の報告は散見されるが,非A非B型肝炎の報告は本邦では文献上みあたらず興味ある集団発症例と思われる.
ISSN:0451-4203
1881-3593
DOI:10.2957/kanzo.30.1726