von Recklinghausen病に乳癌と無症候型褐色細胞腫を合併した1例

きわめてまれなvon Recklinghausen病(以下, R病)に乳癌と無症候型褐色細胞腫を合併した1例を経験したので報告する.症例は, 46歳,女性.主訴は,左乳房腫瘤.思春期より皮膚の腫瘤と色素斑が出現した.家族にR病はいない.左CA領域に4.0×4.0cmの腫瘤を認め,穿刺吸引細胞診で乳癌と診断(Stage II)し,手術(Bt+Ax)を施行した.病理組織学的所見は,乳頭腺管癌, n1α(1/13). ER, PgRはともに陽性であった.また,皮膚腫瘤は,神経線維腫であった.術後,腹部CTにて右副腎に腫瘤を認めた.血中カテコールアミンは正常であったが,尿中カテコールアミンは高値を示し...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 60; no. 11; pp. 3039 - 3043
Main Authors 矢野, 外喜治, 山田, 克己, 金, 容輝, 福田, 和弘, 山本, 正之, 国府, 育央
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 25.11.1999
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.60.3039

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Summary:きわめてまれなvon Recklinghausen病(以下, R病)に乳癌と無症候型褐色細胞腫を合併した1例を経験したので報告する.症例は, 46歳,女性.主訴は,左乳房腫瘤.思春期より皮膚の腫瘤と色素斑が出現した.家族にR病はいない.左CA領域に4.0×4.0cmの腫瘤を認め,穿刺吸引細胞診で乳癌と診断(Stage II)し,手術(Bt+Ax)を施行した.病理組織学的所見は,乳頭腺管癌, n1α(1/13). ER, PgRはともに陽性であった.また,皮膚腫瘤は,神経線維腫であった.術後,腹部CTにて右副腎に腫瘤を認めた.血中カテコールアミンは正常であったが,尿中カテコールアミンは高値を示し, 131I-MIBGシンチにて右副腎部に一致して異常集積像が認められた.患者に,高血圧は認めず,無症候型褐色細胞腫を疑い,右副腎摘出術を施行した.病理組織学的所見は,褐色細胞腫であった.患者は,術後7カ月現在乳癌の再発を認めず健存している.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.60.3039