原発性虫垂癌の4例

1978年から1997年に当院で経験した原発性虫垂癌手術症例は4例で,全大腸癌手術症例の0.7%の頻度であった.男性1例,女性3例で,平均年齢は56.7歳(38~68歳)であった.主訴は下腹部痛2例,腹部腫瘤1例で, 1例は無症状ならびに直腸癌の術中検索にて発見された.術前診断は急性虫垂炎, S状結腸癌,卵巣腫瘍,直腸癌で術前診断が困難であった.術中所見で1例に腹膜偽粘液腫の状態を,2例に隣接臓器への浸潤を認めた.術後病理診断はいずれも粘液嚢胞腺癌であった. 2例が癌死した. 原発性虫垂癌は下腹部痛や腫瘤の鑑別疾患のひとつとして念頭に置くべきと考えられた....

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 60; no. 10; pp. 2689 - 2691
Main Authors 竹内, 仁司, 安井, 義政, 田中屋, 宏爾, 土屋, 健, 小長, 英二, 柚木, 靖弘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 25.10.1999
Subjects
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.60.2689

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Summary:1978年から1997年に当院で経験した原発性虫垂癌手術症例は4例で,全大腸癌手術症例の0.7%の頻度であった.男性1例,女性3例で,平均年齢は56.7歳(38~68歳)であった.主訴は下腹部痛2例,腹部腫瘤1例で, 1例は無症状ならびに直腸癌の術中検索にて発見された.術前診断は急性虫垂炎, S状結腸癌,卵巣腫瘍,直腸癌で術前診断が困難であった.術中所見で1例に腹膜偽粘液腫の状態を,2例に隣接臓器への浸潤を認めた.術後病理診断はいずれも粘液嚢胞腺癌であった. 2例が癌死した. 原発性虫垂癌は下腹部痛や腫瘤の鑑別疾患のひとつとして念頭に置くべきと考えられた.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.60.2689