Cefuroximeの基礎的臨床的検討

新しいCephalosporin系抗生剤であるCefuroximeについて基礎的臨床的検討を行なった。 臨床分離の各種グラム陰性桿菌に対するCefuroximeの抗菌力をCefoxitin, Cefazolinと比較したところE.coliでは. Cefazolinよりすぐれ, E. cloacaeに対してはCefuroximeが最もすぐれていた。P. vulgarisに対してはCefoxitinが最もすぐれ, CefuroximeとCefazolinはほとんどが≧100μg/mlであったが, 他のProteus sp. に対してはCefuroxime, CefoxitinがCefazolinに...

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Published inCHEMOTHERAPY Vol. 27; no. Supplement6; pp. 357 - 367
Main Authors 鈴木, 達夫, 本島, 新司, 横沢, 光博, 中川, 圭一, 小山, 優
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本化学療法学会 1979
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ISSN0009-3165
1884-5894
DOI10.11250/chemotherapy1953.27.Supplement6_357

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Summary:新しいCephalosporin系抗生剤であるCefuroximeについて基礎的臨床的検討を行なった。 臨床分離の各種グラム陰性桿菌に対するCefuroximeの抗菌力をCefoxitin, Cefazolinと比較したところE.coliでは. Cefazolinよりすぐれ, E. cloacaeに対してはCefuroximeが最もすぐれていた。P. vulgarisに対してはCefoxitinが最もすぐれ, CefuroximeとCefazolinはほとんどが≧100μg/mlであったが, 他のProteus sp. に対してはCefuroxime, CefoxitinがCefazolinに比ベ若千強い抗菌力を示した。またCitrobacterに対してはCefuroximeが他の2剤より若干強い抗菌力を示した。 外胆道痕造設患者2例にCefuroxime 1,500mg点滴注入した際の血清中濃度は1時間点滴例では140μg/ml, 2時間点滴例では48μg/mlとおのおの点滴終了時にピーク値を示し, また胆汁中濃度のピーク値は各22.0μg/ml, 23.4μg/mlであった。そのときの尿中回収率は1時間点滴例で投与後6時間までに95.2%, 2時間例では投与後12時間までに76.9%であった。 2例の患者にCefuroxime750mgを8時間ごとに3回連続静注または点滴静注した。第1例では点滴終了時と静注30分後の血清中濃度がいずれも約30μg/mlで, 8時間後には測定不能であった。第2例のSepsis+DICのsevere caseでは点滴時のピークは115μg/mlで8時間後においても29μg/mlを示し, 蓄積作用が認められた。 本剤を呼吸器感染症8例, 胆道感染症4例, 尿路感染症2例, 敗血症・亜急性細菌性心内膜炎各1例の計16例に使用した結果, 効果判定不能の1例を除き, 15例の本剤の治療成績は有効以上13例, やや有効および無効各1例のすぐれた成績を得た。投与量は1, 500mg1日3回投与が多かったのは, 重症例が多かったためである。 副作用は発疹, アレルギー熱各1例, 好酸球増多2例, GPTの軽度上昇2例であった。
ISSN:0009-3165
1884-5894
DOI:10.11250/chemotherapy1953.27.Supplement6_357