有機-無機ナノハイブリッド「セラソーム」を基板とする分子間コミュニケーションシステムの構築
生体膜モデルとしての有機-無機ハイブリッドベシクル「セラソーム」を用いて, シグナル伝達機能を有する分子間コミュニケーションシステムを構築した. 頭部にトリエトキシシリル基と四級アンモニウム基をもつ二本鎖型のペプチド脂質から作製したセラソームは, 従来型の脂質二分子膜ベシクルよりも著しく高い構造安定性を有することが, 界面活性剤に対する耐性評価から明らかになった. このセラソームを基板に用いて, 人工受容体による化学シグナル認識の応答が, メディエータとしての金属イオンを介して酵素に伝達され, 酵素活性のオン・オフを制御できる分子デバイスを作製し, その機能を明らかにした. 人工受容体にアミノ...
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Published in | 高分子論文集 Vol. 61; no. 10; pp. 541 - 546 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 高分子学会
2004
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ISSN | 0386-2186 1881-5685 |
DOI | 10.1295/koron.61.541 |
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Summary: | 生体膜モデルとしての有機-無機ハイブリッドベシクル「セラソーム」を用いて, シグナル伝達機能を有する分子間コミュニケーションシステムを構築した. 頭部にトリエトキシシリル基と四級アンモニウム基をもつ二本鎖型のペプチド脂質から作製したセラソームは, 従来型の脂質二分子膜ベシクルよりも著しく高い構造安定性を有することが, 界面活性剤に対する耐性評価から明らかになった. このセラソームを基板に用いて, 人工受容体による化学シグナル認識の応答が, メディエータとしての金属イオンを介して酵素に伝達され, 酵素活性のオン・オフを制御できる分子デバイスを作製し, その機能を明らかにした. 人工受容体にアミノ基を有するステロイド誘導体, シグナルとしてピリドキサール5'-リン酸, メディエータに銅 (II) イオン, 化学信号増幅器として乳酸脱水素酵素を用いたセラソーム系において, 顕著なシグナル伝達機能が発現した. |
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ISSN: | 0386-2186 1881-5685 |
DOI: | 10.1295/koron.61.541 |