セファロスポリン系新抗生剤Cefixime (CFIX) の内科領域感染症に対する臨床的検討
新しく開発された経口用セファロスポリン系抗生物質Cefixime (CFIX) を内科領域の感染症に使用し, その有効性と安全性について検討した。 対象は呼吸器感染症12例, 尿路感染症1例の計13例で, その内訳けは男6例, 女7例, 平均年齢は45.1才, 外来11例, 入院2例である。投与方法は全例に本剤1回100mgを1日2回経口投与し, 投与期間は4日から22日 (平均11.7日) である。 臨床効果では, 著効2例, 有効8例, やや有効3例, 無効0で, 有効以上にて判定すると, 13例中10例となり有効率は77%であった。うち, 起炎菌の分離同定できたものは2例 (喀痰中及び尿...
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Published in | CHEMOTHERAPY Vol. 33; no. Supplement6; pp. 393 - 400 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本化学療法学会
1985
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Online Access | Get full text |
ISSN | 0009-3165 1884-5894 |
DOI | 10.11250/chemotherapy1953.33.Supplement6_393 |
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Summary: | 新しく開発された経口用セファロスポリン系抗生物質Cefixime (CFIX) を内科領域の感染症に使用し, その有効性と安全性について検討した。 対象は呼吸器感染症12例, 尿路感染症1例の計13例で, その内訳けは男6例, 女7例, 平均年齢は45.1才, 外来11例, 入院2例である。投与方法は全例に本剤1回100mgを1日2回経口投与し, 投与期間は4日から22日 (平均11.7日) である。 臨床効果では, 著効2例, 有効8例, やや有効3例, 無効0で, 有効以上にて判定すると, 13例中10例となり有効率は77%であった。うち, 起炎菌の分離同定できたものは2例 (喀痰中及び尿中よりいずれもE. coli) で, 本剤の投与により除菌された。他の症例では常在菌の検出にとどまった。 安全性の検討では, 臨床上特に問題となる副作用や, 臨床検査値の異常は認めなかった。 以上の結果を得て, CFIXは, 有効性, 安全性共に優れており, その効果は持続的で, 1日2回の投与で威力を発揮し, かつ広域スペクトラムを有するので, 内科領域の感染症に対して, 第一選択剤となりうる, 有用な経口用抗生剤と思われる。 |
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ISSN: | 0009-3165 1884-5894 |
DOI: | 10.11250/chemotherapy1953.33.Supplement6_393 |