Larrey孔ヘルニアに対しComposix Mesh®を用いて腹腔鏡下修復術を施行した1例

Larrey孔ヘルニアに対し,腹腔鏡下にヘルニア門を直接縫合し,さらにComposix Mesh®を用いて補強をする修復術を行った.症例は79歳の女性で,心窩部痛と息切れを主訴に紹介入院した. CTで右心横隔膜角部に脂肪織と横行結腸の脱出があり,横隔膜ヘルニアと診断した.腹腔鏡下に観察すると,胸骨背側の肝鎌状間膜の左側に, 5×3cm大のヘルニア門があり, Larrey孔ヘルニアであった.ヘルニア内容を還納し,ヘルニア門を直接縫合閉鎖した.この際,ヘルニア門の緊張を減弱することで,縫合を容易にした.さらに補強のためComposix Mesh®をヘルニア門に追加固定した.術後の回復は順調で, 1...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 67; no. 12; pp. 2979 - 2983
Main Authors 吉成, 大介, 川手, 進, 竹吉, 泉, 富沢, 直樹, 堤, 裕史, 安東, 立正
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 25.12.2006
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.67.2979

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Summary:Larrey孔ヘルニアに対し,腹腔鏡下にヘルニア門を直接縫合し,さらにComposix Mesh®を用いて補強をする修復術を行った.症例は79歳の女性で,心窩部痛と息切れを主訴に紹介入院した. CTで右心横隔膜角部に脂肪織と横行結腸の脱出があり,横隔膜ヘルニアと診断した.腹腔鏡下に観察すると,胸骨背側の肝鎌状間膜の左側に, 5×3cm大のヘルニア門があり, Larrey孔ヘルニアであった.ヘルニア内容を還納し,ヘルニア門を直接縫合閉鎖した.この際,ヘルニア門の緊張を減弱することで,縫合を容易にした.さらに補強のためComposix Mesh®をヘルニア門に追加固定した.術後の回復は順調で, 1年後の胸部レントゲンで,ヘルニアの再発はなかった.胸骨後ヘルニア修復術には低侵襲な腹腔鏡下手術が適しており, Composix Mesh®を用いることで簡便かつ確実な修復術が可能である.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.67.2979