CUSAを用いて切除した頸動脈小体腫瘍の1例

頸動脈小体腫瘍は内外頸動脈分岐部に発生し,分岐部頸動脈を巻き込み,腫瘍の摘出時にしばしば頸動脈の合併切除が行われる.今回,頸動脈小体腫瘍の剥離にCavitron ultrasonic surgical aspirator (CUSA) を用いることで,頸動脈を損傷することなく腫瘍を摘出し得たので報告する. 症例は66歳,女性.右頸部無痛性腫瘤を主訴に来院.腫瘤は頸部超音波検査で右総頸動脈から内外頸動脈分岐部裏面を占拠し,頸部血管造影検査では,右内外頸動脈の分岐角の開大と腫瘍濃染像を認めた.頸動脈小体腫瘍の診断のもと, CUSAを用いて腫瘍を剥離摘出した.術後脳循環障害をきたすことなく, 4年を...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 60; no. 10; pp. 2598 - 2603
Main Authors 木下, 博明, 阪口, 正則, 森本, 健, 若狭, 研一, 三上, 慎一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 25.10.1999
Subjects
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.60.2598

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Summary:頸動脈小体腫瘍は内外頸動脈分岐部に発生し,分岐部頸動脈を巻き込み,腫瘍の摘出時にしばしば頸動脈の合併切除が行われる.今回,頸動脈小体腫瘍の剥離にCavitron ultrasonic surgical aspirator (CUSA) を用いることで,頸動脈を損傷することなく腫瘍を摘出し得たので報告する. 症例は66歳,女性.右頸部無痛性腫瘤を主訴に来院.腫瘤は頸部超音波検査で右総頸動脈から内外頸動脈分岐部裏面を占拠し,頸部血管造影検査では,右内外頸動脈の分岐角の開大と腫瘍濃染像を認めた.頸動脈小体腫瘍の診断のもと, CUSAを用いて腫瘍を剥離摘出した.術後脳循環障害をきたすことなく, 4年を経過した現在,健康に暮らしている.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.60.2598