細気管支肺胞上皮癌切除例の検討-臨床病理組織学的特徴と切除成績について
細気管支肺胞上皮癌(以下BAC) は,その進展様式として経気道散布と思われる進展を示し,治療に難渋するものが多い.今回われわれは, BACの切除例16例についてその腫瘍細胞の細胞亜型と進展様式,治療成績を検討した.細胞亜型は杯細胞型10例, Clara細胞型3例, II型肺胞上皮細胞型3例であった,肉眼的な腫瘍の広がりは,区域内にとどまっているものを1型(14例)とし, 1葉にまで及ぶ進展を示したものをII型(2例)とした. II型の2例とも杯細胞型であった. II型は2例とも67カ月後と12カ月後に肺内再発し, 67カ月後再発の1例は再発後6カ月で死亡し, 12カ月後再発の1例は現在担癌生存...
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Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 60; no. 12; pp. 3083 - 3087 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床外科学会
25.12.1999
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Subjects | |
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ISSN | 1345-2843 1882-5133 |
DOI | 10.3919/jjsa.60.3083 |
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Summary: | 細気管支肺胞上皮癌(以下BAC) は,その進展様式として経気道散布と思われる進展を示し,治療に難渋するものが多い.今回われわれは, BACの切除例16例についてその腫瘍細胞の細胞亜型と進展様式,治療成績を検討した.細胞亜型は杯細胞型10例, Clara細胞型3例, II型肺胞上皮細胞型3例であった,肉眼的な腫瘍の広がりは,区域内にとどまっているものを1型(14例)とし, 1葉にまで及ぶ進展を示したものをII型(2例)とした. II型の2例とも杯細胞型であった. II型は2例とも67カ月後と12カ月後に肺内再発し, 67カ月後再発の1例は再発後6カ月で死亡し, 12カ月後再発の1例は現在担癌生存中である. I型は全例再発なく8~82カ月間生存中である. BACは肺内進展の程度が予後を決定すると考えられ, I型は予後良好であったが, II型は完全切除がなされても癌細胞の経気道性進展により再発,死亡すると考えられ,予後不良であった. |
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ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
DOI: | 10.3919/jjsa.60.3083 |