右冠動脈左Valsalva洞起始症の1例

49才女性.労作時の前胸部圧迫感を主訴にて来院し,亜硝酸薬にて症状は軽快したが,精査のため入院.血圧110/60mmHg,脈拍68拍/分,整.胸部写真では心胸郭比53%と軽度の心拡大を,マスターのダブル負荷心電図ではV3~6のST下降を認めた.心カテーテル検査にて左冠動脈は左Valsalva洞より派生し,通常の走行をしていたが,右冠動脈も同様に左Valsalva洞より派生していた.そしてdynamic CTにて,右冠動脈近位部は大動脈と肺動脈の間を通過していた.なお左右冠動脈に狭窄病変はなく,心内圧も正常であった.以上,まれな右冠動脈左Valsalva洞起始症の1例と診断し,冠動脈の走行の確認...

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Published in日本内科学会雑誌 Vol. 78; no. 10; pp. 1470 - 1474
Main Authors 明石, 宜博, 山崎, 義亀與, 嵯峨, 孝, 平井, 淳一, 前田, 俊彦, 斎藤, 和哉, 若杉, 隆伸
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本内科学会 1989
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ISSN0021-5384
1883-2083
DOI10.2169/naika.78.1470

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Summary:49才女性.労作時の前胸部圧迫感を主訴にて来院し,亜硝酸薬にて症状は軽快したが,精査のため入院.血圧110/60mmHg,脈拍68拍/分,整.胸部写真では心胸郭比53%と軽度の心拡大を,マスターのダブル負荷心電図ではV3~6のST下降を認めた.心カテーテル検査にて左冠動脈は左Valsalva洞より派生し,通常の走行をしていたが,右冠動脈も同様に左Valsalva洞より派生していた.そしてdynamic CTにて,右冠動脈近位部は大動脈と肺動脈の間を通過していた.なお左右冠動脈に狭窄病変はなく,心内圧も正常であった.以上,まれな右冠動脈左Valsalva洞起始症の1例と診断し,冠動脈の走行の確認にdynamic CT法を応用した.
ISSN:0021-5384
1883-2083
DOI:10.2169/naika.78.1470