複雑性尿路感染症に対するloracarbefの臨床用量の検討
複雑性尿路感染症に対する新経口カルバセフェム剤, loracarbef (LCBF) の臨床用量を検討する目的で, cefixime (CFIX) を対照薬とした用量検討比較試験を行った。 対象は尿路に基礎疾患を有する複雑性下部尿路感染症とし, 外来症例, カテーテル非留置症例であることを条件とし, 前立腺術後の症例, Pseudomonas aeruginosa分離例は含めないこととした。 LCBFの投薬量は1回200mg, 1日3回 (LC-600) または1回400mg, 1日2回 (LC-800), CFIXは1回200mg, 1日2回 (CF-400) とし, いずれも7日間投薬後に...
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Published in | CHEMOTHERAPY Vol. 41; no. Supplement3; pp. 336 - 352 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本化学療法学会
1993
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Subjects | |
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ISSN | 0009-3165 1884-5894 |
DOI | 10.11250/chemotherapy1953.41.Supplement3_336 |
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Summary: | 複雑性尿路感染症に対する新経口カルバセフェム剤, loracarbef (LCBF) の臨床用量を検討する目的で, cefixime (CFIX) を対照薬とした用量検討比較試験を行った。 対象は尿路に基礎疾患を有する複雑性下部尿路感染症とし, 外来症例, カテーテル非留置症例であることを条件とし, 前立腺術後の症例, Pseudomonas aeruginosa分離例は含めないこととした。 LCBFの投薬量は1回200mg, 1日3回 (LC-600) または1回400mg, 1日2回 (LC-800), CFIXは1回200mg, 1日2回 (CF-400) とし, いずれも7日間投薬後にUTI薬効評価基準に従って臨床効果を判定した。 総合有効率はLC-600群の22例で77.3%, LC800群の22例で86.4%, CF, 400群の23例で82.6%, また細菌消失率はLC-600群で31株中87.1%, LC-800群で29株中86.2%, CF400群で33株中90.9%と, いずれも3群間に有意差を認めなかった。 副作用の発現率はそれぞれ3.1%, 3.0%, 0%, 臨床検査値の異常変動発現頻度は3.4%, 0%, 3.3%と, いずれも3群間に有意差を認めず, 有効性と安全性を勘案して判定した有用性にも3群間に有意差は認められなかった。 これらの成績から, 複雑性尿路感染症に対するLCBFの投薬量は, 1回400mg, 1日2回が適当と考えられた。 |
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ISSN: | 0009-3165 1884-5894 |
DOI: | 10.11250/chemotherapy1953.41.Supplement3_336 |