小児の乳房に発生したprimitive neuroectodermal tumor (PNET) の1例
14歳女児の乳房に発生し,病理学的にprimitive neuroectodermal tumor (PNET)と診断された1例を経験した.左乳房腫瘤を主訴に来院,腫瘤は左乳房全体に波及し,著しく腫大していた.画像検査で胸部CT上腫瘍内部は不均一に造影され,壊死と思われる低吸収域の混在を認めた.また両側肺野および左腋窩リンパ節に転移巣が認められた.悪性乳腺腫瘍を疑い左定型的乳房切除術を施行.切除標本は大きさ約25×25×20cm,重さ3.94kgと巨大で,腫瘍は肉眼的に灰白色で出血性壊死が目立っていた.病理組織学的に腫瘍は小型類円形細胞の充実性増殖よりなり,一部にロゼット様構造が認められた....
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Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 59; no. 10; pp. 2509 - 2513 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床外科学会
25.10.1998
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Subjects | |
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ISSN | 1345-2843 1882-5133 |
DOI | 10.3919/jjsa.59.2509 |
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Summary: | 14歳女児の乳房に発生し,病理学的にprimitive neuroectodermal tumor (PNET)と診断された1例を経験した.左乳房腫瘤を主訴に来院,腫瘤は左乳房全体に波及し,著しく腫大していた.画像検査で胸部CT上腫瘍内部は不均一に造影され,壊死と思われる低吸収域の混在を認めた.また両側肺野および左腋窩リンパ節に転移巣が認められた.悪性乳腺腫瘍を疑い左定型的乳房切除術を施行.切除標本は大きさ約25×25×20cm,重さ3.94kgと巨大で,腫瘍は肉眼的に灰白色で出血性壊死が目立っていた.病理組織学的に腫瘍は小型類円形細胞の充実性増殖よりなり,一部にロゼット様構造が認められた. PAS染色ではグリコーゲン顆粒が認められた.免疫組織化学的にneuron specific enolaseやS-100蛋白は陰性であったが,電顕的に小器官の乏しい細胞質に少数の神経分泌顆粒が認められた.これらの所見より末梢性のPNETと考えられた. |
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ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
DOI: | 10.3919/jjsa.59.2509 |