外科領域におけるME 1207の基礎的・臨床的検討

新規に開発された経口セフェム剤であるME 1207について外科領域における基礎的・臨床的検討を行い, 以下の結果が得られた。 (1) 抗菌力: 外科病巣分離のStaphylococcus aureus, Escherichia col i, Klebsiella pneumoniae, Pseudomonas aeruginosa に対するMIC50/MIC90 (μg/ml) はそれぞれ25/100, 0.2/25, 1.56/6.25, 100/>100であった。これらの結果はS. aureus, E. coli に対しては対照としたcefaclor, cefteram, cefix...

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Published inCHEMOTHERAPY Vol. 40; no. Supplement2; pp. 564 - 572
Main Authors 鈴井, 勝也, 石原, 博, 真下, 啓二, 品川, 長夫, 由良, 二郎, 石川, 周
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本化学療法学会 1992
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ISSN0009-3165
1884-5894
DOI10.11250/chemotherapy1953.40.Supplement2_564

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Summary:新規に開発された経口セフェム剤であるME 1207について外科領域における基礎的・臨床的検討を行い, 以下の結果が得られた。 (1) 抗菌力: 外科病巣分離のStaphylococcus aureus, Escherichia col i, Klebsiella pneumoniae, Pseudomonas aeruginosa に対するMIC50/MIC90 (μg/ml) はそれぞれ25/100, 0.2/25, 1.56/6.25, 100/>100であった。これらの結果はS. aureus, E. coli に対しては対照としたcefaclor, cefteram, cefixime より優れ, K. pneumoniae に対してはcefiximeよりわずかに劣るものの, 他の2剤に勝り, P. aeruginosaに対しても臨床的に有用な程度ではないが対照薬剤より優れていた。 (2) 胆汁中移行: 3例において200mgを経口投与した際の胆汁中濃度は最高値が6.9μg/mlから128μg/mlと, いずれも血中濃度より高いが, 症例間での較差が大きかった。 (3) 臨床使用成績: 外科的感染症35例に使用し, 著効15例, 有効14例, やや有効5例, 無効1例で有効率82.9%であった。細菌学的には25例中消失23例, 不変1例, 菌交代1例で, 96.0%の消失率であった。また, 自他覚的副作用はなく, 臨床検査値の異常変動は軽度の好酸球増多の1例と, GOT・GPTの軽度の上昇の1例を認めたが, 臨床的に問題となることはなかった。
ISSN:0009-3165
1884-5894
DOI:10.11250/chemotherapy1953.40.Supplement2_564