血糖自己測定(SMBG)を取り巻く糖尿病管理の現在

血糖自己測定(self-monitoring of blood glucose; SMBG)は、常に変動している血糖の高低を患者自身が知るだけでなく、収集したデータから血糖の変動パターンを把握し、血糖変動の要因(食事の量や質、タイミング、インスリン注射の種類や量、身体活動量など)を分析することで糖尿病治療に反映させることのできる管理方法である。従来は日本糖尿病協会が発行しているSMBG手帳(自己管理ノート)に測定した血糖値を手入力し、外来受診時には手帳に記載された血糖値を元に療養指導や治療の調整を行っていた。最近は、糖尿病に関するデータ管理を目的とした専用ソフトウェア(アプリ)が個人のスマート...

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Published in生体医工学 Vol. Annual59; no. Abstract; p. 250
Main Author 東, 真弓
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2021
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ISSN1347-443X
1881-4379
DOI10.11239/jsmbe.Annual59.250

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Summary:血糖自己測定(self-monitoring of blood glucose; SMBG)は、常に変動している血糖の高低を患者自身が知るだけでなく、収集したデータから血糖の変動パターンを把握し、血糖変動の要因(食事の量や質、タイミング、インスリン注射の種類や量、身体活動量など)を分析することで糖尿病治療に反映させることのできる管理方法である。従来は日本糖尿病協会が発行しているSMBG手帳(自己管理ノート)に測定した血糖値を手入力し、外来受診時には手帳に記載された血糖値を元に療養指導や治療の調整を行っていた。最近は、糖尿病に関するデータ管理を目的とした専用ソフトウェア(アプリ)が個人のスマートフォンで利用できるようになり、自社の管理アプリへ血糖測定結果を自動転送できる血糖測定器も登場した。これらの管理アプリでは血糖値だけでなく食事の写真や歩数なども同一画面でグラフ化できるようになっており、日常生活の振り返りが容易になった。服薬アラームやカーボカウントの計算など、様々な機能も搭載しており、個別の需要に応じた使い方ができる。クラウドサーバー上でデータ共有することも可能になっているので遠隔診療にも利用され始めている。インターネットテクノロジーを活用した糖尿病管理の現在について概説する。
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual59.250