Vibrio vulnificus感染症に関する基礎的研究: 環境由来株とヒト臨床由来株の血清型別状況および薬剤感受性試験
Vibrio vulnificus感染症の感染経路や感染源を解明する一環として, 環境由来株とヒト臨床由来株について血清型別を行うとともに各種抗菌剤の薬剤感受性試験を行ったところ, 以下の成績が得られた. 1. 由来別に血清型を検討したところ, 環境由来では72.5%が18菌型に型別され, O7が43.1%と最も多く, 次にO4が6.1%などであった. ヒト臨床由来では87.1%が8菌型に型別され, O4が43.5%と最も多く, 次にO7が12.9%などであった. 2. 地域別に血清型を検討したところ, 東日本地域では69.2%が18菌型に型別され, O7が44.6%, O4が5.7%などであ...
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Published in | 感染症学雑誌 Vol. 78; no. 2; pp. 83 - 89 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本感染症学会
2004
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Online Access | Get full text |
ISSN | 0387-5911 1884-569X |
DOI | 10.11150/kansenshogakuzasshi1970.78.83 |
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Summary: | Vibrio vulnificus感染症の感染経路や感染源を解明する一環として, 環境由来株とヒト臨床由来株について血清型別を行うとともに各種抗菌剤の薬剤感受性試験を行ったところ, 以下の成績が得られた. 1. 由来別に血清型を検討したところ, 環境由来では72.5%が18菌型に型別され, O7が43.1%と最も多く, 次にO4が6.1%などであった. ヒト臨床由来では87.1%が8菌型に型別され, O4が43.5%と最も多く, 次にO7が12.9%などであった. 2. 地域別に血清型を検討したところ, 東日本地域では69.2%が18菌型に型別され, O7が44.6%, O4が5.7%などであった. 西日本地域では64.8%が8菌型に型別され, O7が20.4%と最も多く, 次にO4が11.1%などであった. 3. 生物型と血清型の関連では, 生物型Iにおいて環境由来株は各血清型に幅広く分布していたが, ヒト臨床由来株では血清型O1-O7に大部分が分布し, 両由来間で異なっていた. しかし, 生物型IIにおいては両由来はともに共通して血清型O7に該当するものが多く認められた. 4. 由来別に薬剤感受性をMIC90で比較検討したところ, 環境由来ではABPC, PIPC, CPZ, CTX, LMOX, MEPM, GM, EM, TC, DOXY, MINO, CP, NAおよびCPFXに感受性を示したが, CER, CET, CTX, CMZ, KMおよびLCMに対して耐性株が認められた. ヒト臨床由来ではEM, TC, DOXY, MINO, CP, NAおよびCPFXに感受性を示したが, ABPC, PIPC, CER, CET, CPZ, CTX, CMZ, LMOX, MEPM, KM, GM, AMKおよびLCMに対して耐性株が認められた. |
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ISSN: | 0387-5911 1884-569X |
DOI: | 10.11150/kansenshogakuzasshi1970.78.83 |