不活動に伴う痛みの発生メカニズムとその治療戦略に関する検討 ラットの実験モデルに対する振動刺激の効果
「1. はじめに」平成25年度の国民生活基礎調査(厚生労働省)における有訴率をみると, 男性では第1位が腰痛, 第2位が肩こり, 女性では第1位が肩こり, 第2位が腰痛, 第3位が手足の関節痛となっており, 多くの国民が運動器の痛みを抱えていることがわかる. このような運動器の痛みは外傷に伴う組織損傷や加齢に伴う退行性変化などがその発端となることが多いが, 最近の先行研究ではこれに身体の不活動が加わると慢性痛に発展するリスクが高まるとされ, 実際に腰痛発症から4日以上安静を強いるとその後1年以上も痛みをはじめとした機能障害が残存するとの報告もある. また, 難治性の慢性痛として知られる複合性局...
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| Published in | 日本基礎理学療法学雑誌 Vol. 20; no. 2; pp. 8 - 15 |
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| Main Authors | , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本基礎理学療法学会
08.11.2017
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| Online Access | Get full text |
| ISSN | 2186-0742 2434-0731 |
| DOI | 10.24780/jptf.20.2_8 |
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| Summary: | 「1. はじめに」平成25年度の国民生活基礎調査(厚生労働省)における有訴率をみると, 男性では第1位が腰痛, 第2位が肩こり, 女性では第1位が肩こり, 第2位が腰痛, 第3位が手足の関節痛となっており, 多くの国民が運動器の痛みを抱えていることがわかる. このような運動器の痛みは外傷に伴う組織損傷や加齢に伴う退行性変化などがその発端となることが多いが, 最近の先行研究ではこれに身体の不活動が加わると慢性痛に発展するリスクが高まるとされ, 実際に腰痛発症から4日以上安静を強いるとその後1年以上も痛みをはじめとした機能障害が残存するとの報告もある. また, 難治性の慢性痛として知られる複合性局所疼痛症候群(complex regional pain syndrome; CRPS)の疫学調査では, 発症初期の段階で患肢をギプスなどで固定する処置が施されていることが多いという結果から, 四肢の一部の不活動は慢性痛発生のリスクファクターになることが指摘されている. |
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| ISSN: | 2186-0742 2434-0731 |
| DOI: | 10.24780/jptf.20.2_8 |