脳血管障害患者におけるlong-loop reflex
母指球筋の随意収縮中に, 正中神経に電気刺激を加えると, 母指球筋表面筋電図上に直接反応 (M波), 脊髄反射 (H-reflex) に続いて長潜時のlong-loop reflexが出現する.この反応はtranscortical reflexと考えられており, V2反応, C-response等と呼ばれているが, 反射経路はまだ不明である.そこで, 病巣の限局した脳血管障害患者よりV2反応と体性感覚誘発電位 (SEPs) を同時に記録し, 両者の出現様式と病巣部位の関係よりV2反応の経路につき検討した. 視床障害および橋内側毛帯障害では, いずれも患側刺激においてV2反応は出現せず, SEP...
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          | Published in | 脳卒中 Vol. 10; no. 2; pp. 135 - 143 | 
|---|---|
| Main Authors | , , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            一般社団法人 日本脳卒中学会
    
        1988
     | 
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| ISSN | 0912-0726 1883-1923  | 
| DOI | 10.3995/jstroke.10.135 | 
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| Summary: | 母指球筋の随意収縮中に, 正中神経に電気刺激を加えると, 母指球筋表面筋電図上に直接反応 (M波), 脊髄反射 (H-reflex) に続いて長潜時のlong-loop reflexが出現する.この反応はtranscortical reflexと考えられており, V2反応, C-response等と呼ばれているが, 反射経路はまだ不明である.そこで, 病巣の限局した脳血管障害患者よりV2反応と体性感覚誘発電位 (SEPs) を同時に記録し, 両者の出現様式と病巣部位の関係よりV2反応の経路につき検討した. 視床障害および橋内側毛帯障害では, いずれも患側刺激においてV2反応は出現せず, SEPも明らかに異常であった.また, 内包後脚障害では, V2反応は障害されたが, SEPでは, N9, P/N13, N19の各頂点成分が正常潜時で誘発された. 以上より, V2反応の求心路には後索-内側毛帯-視床路, 遠心路には錐体路が関与している可能性が示唆された. | 
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| ISSN: | 0912-0726 1883-1923  | 
| DOI: | 10.3995/jstroke.10.135 |