C型慢性肝炎に対するインターフェロン治療の骨髄細胞への影響

インターフェロン (IFN) による白血球, 血小板の減少や貧血の原因を解明する目的でIFN α 2aまたはα 2bの投与を受けた9例の C 型慢性肝炎症例で骨髄所見の変化を検討した. IFN投与前と2週間連日投与後の骨髄血所見を比較し, 末梢血所見の変化とも対比を行った. IFN投与後の骨髄ではIFN投与前に比し有核細胞数, 赤芽球系細胞数, 顆粒球系細胞数および巨核球系細胞の有意な減少がみられ末梢血所見の変化と一致していた. フローサイトメトリーを用いた細胞周期の検討では, IFN投与によりG0・G1期細胞の割合は73.8±13.7%から85.6±6.1%へと有意に増加し, S期細胞の割合...

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Published in肝臓 Vol. 39; no. 12; pp. 895 - 900
Main Authors 荘司, 貞志, 細井, 仁, 永山, 亮造, 浜渦, 俊和, 宮本, 直樹, 若島, 将伸, 三宅, 和彦, 山中, 正己, 寺本, 民生, 滝川, 一, 横山, 喜恵, 中田, 景子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本肝臓学会 25.12.1998
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ISSN0451-4203
1881-3593
DOI10.2957/kanzo.39.895

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Summary:インターフェロン (IFN) による白血球, 血小板の減少や貧血の原因を解明する目的でIFN α 2aまたはα 2bの投与を受けた9例の C 型慢性肝炎症例で骨髄所見の変化を検討した. IFN投与前と2週間連日投与後の骨髄血所見を比較し, 末梢血所見の変化とも対比を行った. IFN投与後の骨髄ではIFN投与前に比し有核細胞数, 赤芽球系細胞数, 顆粒球系細胞数および巨核球系細胞の有意な減少がみられ末梢血所見の変化と一致していた. フローサイトメトリーを用いた細胞周期の検討では, IFN投与によりG0・G1期細胞の割合は73.8±13.7%から85.6±6.1%へと有意に増加し, S期細胞の割合は15.9±5.7%から9.2±4.5%へと有意に低下した. IFNによる血球減少は骨髄細胞レベルでのDNA合成阻害に由来すると考えられた.
ISSN:0451-4203
1881-3593
DOI:10.2957/kanzo.39.895