インターフェロン投与中に胆汁うっ滞型薬物性肝障害を呈したC型慢性肝炎の1例
慢性関節リュウマチ(RA)を合併したC型慢性肝炎例で,インターフェロン(IFN)治療中に薬物性肝障害(胆汁うっ滞型)が出現した症例を経験した.症例は,44歳,男性.1988年にRAと診断され,Sodium aurothiomalate, Indomethacinなどを服薬継続.1989年C型慢性肝炎の診断,1991年6月よりIFN α-2b 1MIU/日(週3回)の投与開始.IFN投与中(計31回)に黄疸が出現.入院後薬物性肝障害の疑にて,全投与薬剤を中止した,中止後トランスアミナーゼ値は100IU以下で推移するも,総ビリルビン値の著明な上昇(Max. 19.6mg/dl)を認めるが,第14病...
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Published in | 肝臓 Vol. 33; no. 10; pp. 800 - 804 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本肝臓学会
1992
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Subjects | |
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ISSN | 0451-4203 1881-3593 |
DOI | 10.2957/kanzo.33.800 |
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Summary: | 慢性関節リュウマチ(RA)を合併したC型慢性肝炎例で,インターフェロン(IFN)治療中に薬物性肝障害(胆汁うっ滞型)が出現した症例を経験した.症例は,44歳,男性.1988年にRAと診断され,Sodium aurothiomalate, Indomethacinなどを服薬継続.1989年C型慢性肝炎の診断,1991年6月よりIFN α-2b 1MIU/日(週3回)の投与開始.IFN投与中(計31回)に黄疸が出現.入院後薬物性肝障害の疑にて,全投与薬剤を中止した,中止後トランスアミナーゼ値は100IU以下で推移するも,総ビリルビン値の著明な上昇(Max. 19.6mg/dl)を認めるが,第14病日以降は順調な低下を認めた.肝生検では,門脈域,小葉内に好中球,好酸球浸潤が目立ち,小葉内には胆汁栓,肝細胞内の小脂肪滴も認められた.全服用薬剤のリンパ球刺激試験は陰性であったが,臨床経過よりIFNによる胆汁うっ滞型肝障害が強く疑われた.IFN投与による胆汁うっ滞型薬物性肝障害の報告はなく,示唆に富む症例と考え報告した. |
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ISSN: | 0451-4203 1881-3593 |
DOI: | 10.2957/kanzo.33.800 |