男女肺癌における臨床病理学的因子と術後成績の比較
原発性肺癌にて手術が施行された男性628例, 女性286例を対象とし, 男女間の外科治療成績を比較検討した.両群間の平均年齢には差はなかった.女性には腺癌が多く, pT1症例が多かった.pN肝, 術式では男女間に有意差を認めなかった.女性の5年生存率は62%で, 男性の44%よりも有意に良好であった.性別, 年齢, pT因子, pN因子, 組織型, 術式を共変量とした多変量解析にて女性の男性に対する欄危険度は0.60であった.pT因子, pN因子, 年齢は有意な予後因子であったが, 術式, 組織型は有意な予後因子ではなかった.組織型別, pT因子別の層別解析では, 腺癌症例, pT1症例におい...
Saved in:
Published in | 日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 16; no. 6; pp. 683 - 687 |
---|---|
Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会
15.09.2002
|
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0919-0945 1881-4158 |
DOI | 10.2995/jacsurg.16.6_683 |
Cover
Summary: | 原発性肺癌にて手術が施行された男性628例, 女性286例を対象とし, 男女間の外科治療成績を比較検討した.両群間の平均年齢には差はなかった.女性には腺癌が多く, pT1症例が多かった.pN肝, 術式では男女間に有意差を認めなかった.女性の5年生存率は62%で, 男性の44%よりも有意に良好であった.性別, 年齢, pT因子, pN因子, 組織型, 術式を共変量とした多変量解析にて女性の男性に対する欄危険度は0.60であった.pT因子, pN因子, 年齢は有意な予後因子であったが, 術式, 組織型は有意な予後因子ではなかった.組織型別, pT因子別の層別解析では, 腺癌症例, pT1症例において女性は有意な予後良好因子であった.一方, 扁平上皮癌症例, 進行癌症例において性別は予後因子ではなかった.女性肺癌手術症例の術後成績は男性のそれよりも良好であり, その理由は女性の小型腺癌症例の予後が良好であることが示唆された. |
---|---|
ISSN: | 0919-0945 1881-4158 |
DOI: | 10.2995/jacsurg.16.6_683 |