不動産業界における物件提案の精度向上に関する考察―WEBサイト上での新たな提案手法の構築

昨今は一般的な消費財同様,マイホームの購入に際しても,消費者はインターネットによる事前の商品知識や不動産業者情報の取得を頻繁に行っている。消費者が自らの希望項目を入力することで物件を提案する不動産WEBサイトも多数存在する。ところが,これらのWEBサイトは物件提案の精度が低く,直接成約に至るケースはほとんどみられない。そこで本研究は,住宅購入に際し,顧客の求める物件の概要をより正確に把握し,購入物件の選択肢となり得る精度の高い物件提案が可能な手法の構築を試みた。具体的には,似通ったプロファイルの顧客が過去にどのような物件を購入しているかという購入履歴情報を併用して提案を行うものである。結果とし...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in経済論叢 p. 199.1.1
Main Author 片岡, 亮
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 京都大学経済学会 28.05.2025
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0013-0273
2758-3988
DOI10.57475/keizaironso.199.1.1

Cover

More Information
Summary:昨今は一般的な消費財同様,マイホームの購入に際しても,消費者はインターネットによる事前の商品知識や不動産業者情報の取得を頻繁に行っている。消費者が自らの希望項目を入力することで物件を提案する不動産WEBサイトも多数存在する。ところが,これらのWEBサイトは物件提案の精度が低く,直接成約に至るケースはほとんどみられない。そこで本研究は,住宅購入に際し,顧客の求める物件の概要をより正確に把握し,購入物件の選択肢となり得る精度の高い物件提案が可能な手法の構築を試みた。具体的には,似通ったプロファイルの顧客が過去にどのような物件を購入しているかという購入履歴情報を併用して提案を行うものである。結果として,従前の手法よりも,来店から成約に至るまでの「来店成約率」が10.2%から42.8%となり,成約率の高い物件提案手法が確立された。これにより,売り手側にとって成約率を上げる情報の提供,買い手側にとって,購入に至る有用な情報取得につながると考えられる。
ISSN:0013-0273
2758-3988
DOI:10.57475/keizaironso.199.1.1