化学療法により腎組織所見の改善を確認し得たIgD型多発性骨髄腫

症例は高カルシウム血症と腎障害を主訴に入院し, IgD-k型多発性骨髄腫と診断された35歳男性.初回腎生検ではTamm-Horsfall蛋白陽性円柱を含む多数の蛋白円柱と広範かつ高度の尿細管間質障害を認めたが,治療後骨髄形質細胞数が減少し,腎障害が改善した時点で再度行った生検では前記腎病変の改善が認められた.本例では骨髄腫の治療後に腎組織病変の改善が確認され,骨髄腫腎の形成機序を推察する上で興味深い症例と思われた....

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Published in日本内科学会雑誌 Vol. 87; no. 8; pp. 1560 - 1562
Main Authors 池田, 雅人, 川村, 哲也, 宇都宮, 保典, 大坪, 寛子, 海渡, 健, 細谷, 龍男
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本内科学会 10.08.1998
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ISSN0021-5384
1883-2083
DOI10.2169/naika.87.1560

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Summary:症例は高カルシウム血症と腎障害を主訴に入院し, IgD-k型多発性骨髄腫と診断された35歳男性.初回腎生検ではTamm-Horsfall蛋白陽性円柱を含む多数の蛋白円柱と広範かつ高度の尿細管間質障害を認めたが,治療後骨髄形質細胞数が減少し,腎障害が改善した時点で再度行った生検では前記腎病変の改善が認められた.本例では骨髄腫の治療後に腎組織病変の改善が確認され,骨髄腫腎の形成機序を推察する上で興味深い症例と思われた.
ISSN:0021-5384
1883-2083
DOI:10.2169/naika.87.1560