メチルコラントレン誘導性ラット肝チトクロームP-450の小葉内分布に関する検討

メチルコラントレン誘導性ラット肝チトクロームP-450(チトクロームP-450MC)に対する抗体を作製し,蛍光抗体間接法を用いてメチルコラントレン投与をうけたラットにおけるチトクロームP-450MCの経時的な肝小葉内誘導状態を観察した.またあわせて長期エタノール投与がチトクロームP-450MCにおよぼす影響についても同様に検討した.蛍光抗体間接法におけるチトクロームP-450MCに対する特異蛍光は非誘導ラット肝において肝細胞細胞質内に弱く認められ,その小葉内分布は小葉周辺域に比し中心域および中間帯でわずかに強い傾向を示した.メチルコラントレン20mg/kg体重の1回腹腔内投与後6, 12, 2...

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Published in肝臓 Vol. 26; no. 9; pp. 1168 - 1173
Main Authors 斉藤, 隆三, 野田, 修造, 乾, 由明, 西川, 正博, 河田, 純男, 稲田, 正己, 岡本, 光弘, 山野, 俊雄, 垂井, 清一郎, 田村, 信司, 今井, 康陽, 三好, 志雄, 南, 雄三
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本肝臓学会 1985
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ISSN0451-4203
1881-3593
DOI10.2957/kanzo.26.1168

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Summary:メチルコラントレン誘導性ラット肝チトクロームP-450(チトクロームP-450MC)に対する抗体を作製し,蛍光抗体間接法を用いてメチルコラントレン投与をうけたラットにおけるチトクロームP-450MCの経時的な肝小葉内誘導状態を観察した.またあわせて長期エタノール投与がチトクロームP-450MCにおよぼす影響についても同様に検討した.蛍光抗体間接法におけるチトクロームP-450MCに対する特異蛍光は非誘導ラット肝において肝細胞細胞質内に弱く認められ,その小葉内分布は小葉周辺域に比し中心域および中間帯でわずかに強い傾向を示した.メチルコラントレン20mg/kg体重の1回腹腔内投与後6, 12, 24, 48時間における特異蛍光の強さおよび小葉内分布の変化を検討した.特異蛍光の強さは時間が経るにつれ増強し,その分布はすべて均一であった.長期エタノール投与ラット肝と対照ラット肝の間に特異蛍光の強さおよび分布に差を認めなかった.
ISSN:0451-4203
1881-3593
DOI:10.2957/kanzo.26.1168