下咽頭癌の放射線化学療法における喉頭温存および手術操作の注意点について

下咽頭癌は進行して発見されることが多く,また喉頭,中咽頭や頸部食道に進展しやすく治療成績も不良である。当科では治療成績と臓器保存率の向上のために,5-FUおよびvitaminAを併用する放射線化学療法(FAR療法)を行っている。これによる死因特異的5年生存率は49%であり,早期癌(Stage I およびStage II)の成績は92%と良好であった。また,進行癌症例ではStage III が55%,Stage IV が35%であった。最近では成績向上のために5-FUに変えてTS-1併用を行っている。放射線化学療法の手術では,皮弁を厚めに剥離し,外頸静脈を皮弁に含めている。また剥離は層を保存しな...

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Published in頭頸部外科 Vol. 14; no. 2; pp. 175 - 182
Main Authors 益田, 宗幸, 倉富, 勇一郎, 熊本, 芳彦, 中島, 寅彦, 山本, 智矢, 梅崎, 俊郎, 小宮山, 荘太郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会 05.10.2004
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ISSN1349-581X
1884-474X
DOI10.5106/jjshns.14.175

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Summary:下咽頭癌は進行して発見されることが多く,また喉頭,中咽頭や頸部食道に進展しやすく治療成績も不良である。当科では治療成績と臓器保存率の向上のために,5-FUおよびvitaminAを併用する放射線化学療法(FAR療法)を行っている。これによる死因特異的5年生存率は49%であり,早期癌(Stage I およびStage II)の成績は92%と良好であった。また,進行癌症例ではStage III が55%,Stage IV が35%であった。最近では成績向上のために5-FUに変えてTS-1併用を行っている。放射線化学療法の手術では,皮弁を厚めに剥離し,外頸静脈を皮弁に含めている。また剥離は層を保存しながら,病変が線維化に被包された状態で一塊に切除することが重要である。
ISSN:1349-581X
1884-474X
DOI:10.5106/jjshns.14.175