神経線維腫を合併した孤立性内腸骨動脈瘤の1例

孤立性内腸骨動脈瘤に神経線維腫を合併した症例を経験した.症例は72歳男性で左鼠径部腫瘤を主訴に来院,骨盤CTにてヘルニア嵌頓と診断された.また同時に孤立性左内腸骨動脈瘤を認め加療目的に当科入院した. 鼠径部腫瘤は周囲との癒着が高度で切除するには腸骨鼠径神経や精巣動静脈を切離しなければならず,迅速病理に提出したところ神経線維腫と診断され,腫瘤は放置した.次に左内腸骨動脈を遊離し,中枢側と末梢側を結紮した後,動脈瘤を切除した. 孤立性内腸骨動脈瘤は比較的稀な疾患で,解剖学的位置関係から早期発見は困難であり,通常,破裂して発見されることが多い.今回われわれは術前に診断した後,瘤切除する事ができたので...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 59; no. 6; pp. 1674 - 1676
Main Authors 奥川, 浩一, 大下, 彰彦, 恵木, 浩之, 山中, 達彦, 田部, 康次, 中村, 雄二, 藤崎, 成至
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 25.06.1998
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.59.1674

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Summary:孤立性内腸骨動脈瘤に神経線維腫を合併した症例を経験した.症例は72歳男性で左鼠径部腫瘤を主訴に来院,骨盤CTにてヘルニア嵌頓と診断された.また同時に孤立性左内腸骨動脈瘤を認め加療目的に当科入院した. 鼠径部腫瘤は周囲との癒着が高度で切除するには腸骨鼠径神経や精巣動静脈を切離しなければならず,迅速病理に提出したところ神経線維腫と診断され,腫瘤は放置した.次に左内腸骨動脈を遊離し,中枢側と末梢側を結紮した後,動脈瘤を切除した. 孤立性内腸骨動脈瘤は比較的稀な疾患で,解剖学的位置関係から早期発見は困難であり,通常,破裂して発見されることが多い.今回われわれは術前に診断した後,瘤切除する事ができたので報告する.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.59.1674