長期生存が得られた腹膜播種陽性進行胃癌の2例
腹膜播種陽性進行胃癌の術後,腹腔内に活性炭吸着マイトマイシンC (以下MMC-CH)を100mg散布した1例とそれに加えMTX-5FU療法(以下M/F療法)を施行した1例の長期生存例について報告する.症例1は70歳,男性. 1987年1月H0, P1, T3, N1で根治手術が不能なため胃全摘, Roux-Y吻合, D1郭清を行った.腫瘍径11×9cmのBorrmann 4型で,病理学的にはpor, scirrhous, t3, ly2, v0, n1 (5/23)であった.術後MMC-CH 100mgを腹腔内に撤布した.症例2は48歳,女性. 1988年5月H0, P2,T3, N2で根治手...
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Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 59; no. 7; pp. 1838 - 1841 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床外科学会
25.07.1998
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Subjects | |
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ISSN | 1345-2843 1882-5133 |
DOI | 10.3919/jjsa.59.1838 |
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Summary: | 腹膜播種陽性進行胃癌の術後,腹腔内に活性炭吸着マイトマイシンC (以下MMC-CH)を100mg散布した1例とそれに加えMTX-5FU療法(以下M/F療法)を施行した1例の長期生存例について報告する.症例1は70歳,男性. 1987年1月H0, P1, T3, N1で根治手術が不能なため胃全摘, Roux-Y吻合, D1郭清を行った.腫瘍径11×9cmのBorrmann 4型で,病理学的にはpor, scirrhous, t3, ly2, v0, n1 (5/23)であった.術後MMC-CH 100mgを腹腔内に撤布した.症例2は48歳,女性. 1988年5月H0, P2,T3, N2で根治手術が不能なため胃全摘, Roux-Y吻合, D1郭清を行った.腫瘍径14×6cmのBorrmann 4型で病理学的には, por, intermediate, t3, ly3, v2, n1 (15/25)であった.術後MMC-CH 100mgを腹腔内に撒布,引き続きM/F療法を6回施行した.その後1989年10月にileusとなり,開腹術を行ったが,その際の腹腔内の検索では再発の兆候を認めなかった. 2例とも健在であり, MMC-CH, M/F療法の有用性について言及する. |
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ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
DOI: | 10.3919/jjsa.59.1838 |