回盲部腸重積で発見された成人Burkitt型リンパ腫の1例
Burkitt型リンパ腫による,成人腸重積症の1手術例を経験したので報告する.症例は59歳の男性で腹痛を主訴に来院した.受診1カ月前より腹部全体の疼痛と悪心,嘔吐があり食事摂取不良となっていた.体重減少,血便もあり当院受診となる.腹部超音波,腹部CTにて腸重積症の診断を得た.入院後大腸内視鏡検査および生検にて回盲部悪性リンパ腫による腸重積と診断し手術となった.手術所見は回盲部の腫瘤を先進部とした腸重積の状態を認め,用手的にも整復不能であり結腸右半切除術を施行した.腫瘍は回盲弁にあり全周性であった.病理組織学的検査でBurkitt typeの悪性リンパ腫と診断した.その後白血化,中枢神経浸潤をき...
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Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 61; no. 8; pp. 2112 - 2118 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床外科学会
25.08.2000
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Subjects | |
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ISSN | 1345-2843 1882-5133 |
DOI | 10.3919/jjsa.61.2112 |
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Summary: | Burkitt型リンパ腫による,成人腸重積症の1手術例を経験したので報告する.症例は59歳の男性で腹痛を主訴に来院した.受診1カ月前より腹部全体の疼痛と悪心,嘔吐があり食事摂取不良となっていた.体重減少,血便もあり当院受診となる.腹部超音波,腹部CTにて腸重積症の診断を得た.入院後大腸内視鏡検査および生検にて回盲部悪性リンパ腫による腸重積と診断し手術となった.手術所見は回盲部の腫瘤を先進部とした腸重積の状態を認め,用手的にも整復不能であり結腸右半切除術を施行した.腫瘍は回盲弁にあり全周性であった.病理組織学的検査でBurkitt typeの悪性リンパ腫と診断した.その後白血化,中枢神経浸潤をきたし術後約9カ月にて死亡した.本邦において腸重積を合併したBurkitt型リンパ腫は稀であり成人例は本例を含め3例であった.腸重積症に対して大腸内視鏡検査は原因診断に有用であった. |
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ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
DOI: | 10.3919/jjsa.61.2112 |