低血糖発作を機に発見されたIGF-II産生肝細胞癌の1例
症例は60歳,女性.平成7年8月より意識消失発作が出現し近医受診.低血糖(20mg/dl),肝機能障害を指摘され入院AFP 4366ng/ml, PIVKA-II 50AU/ml以上, CTで肝右葉全体を占める多発性の低吸収領域を認め,経皮的肝生検で肝細胞癌と診断. TAEを施行したが,肝不全のため死亡. IGF-II 294ng/mlと低値であったが,大部分が大分子量IGF-IIであり, IGF-II/IGF-Iが27.3と上昇し,剖検肝腫瘍のRTPCR法においてIGF-II mRNAの発現が認められた.また, TAE後, AFPとともにIGF-II/IGF-Iは低下した.以上より,本症の低...
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          | Published in | 日本内科学会雑誌 Vol. 86; no. 6; pp. 1033 - 1035 | 
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| Main Authors | , , , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            一般社団法人 日本内科学会
    
        10.06.1997
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| Subjects | |
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| ISSN | 0021-5384 1883-2083  | 
| DOI | 10.2169/naika.86.1033 | 
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| Summary: | 症例は60歳,女性.平成7年8月より意識消失発作が出現し近医受診.低血糖(20mg/dl),肝機能障害を指摘され入院AFP 4366ng/ml, PIVKA-II 50AU/ml以上, CTで肝右葉全体を占める多発性の低吸収領域を認め,経皮的肝生検で肝細胞癌と診断. TAEを施行したが,肝不全のため死亡. IGF-II 294ng/mlと低値であったが,大部分が大分子量IGF-IIであり, IGF-II/IGF-Iが27.3と上昇し,剖検肝腫瘍のRTPCR法においてIGF-II mRNAの発現が認められた.また, TAE後, AFPとともにIGF-II/IGF-Iは低下した.以上より,本症の低血糖発作機序の1つとして腫瘍の産生するIGF-IIの関与が示唆された. | 
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| ISSN: | 0021-5384 1883-2083  | 
| DOI: | 10.2169/naika.86.1033 |