骨盤後腹膜に発生した良性神経鞘腫の1例

症例は71歳,男性.胃癌にて胃全摘術を施行後外来通院中, 2004年7月の腹部CTにて骨盤内に12×6×8cm大の一部石灰化を伴う多房性の嚢胞性病変を認めた.後腹膜リンパ管腫を疑い, 10月6日腫瘤摘出手術を施行した.腫瘤は後腹膜腔にあり,多房性で厚い被膜を有し膀胱,精嚢,左精管と強く癒着していた.割面は嚢胞性と充実性の部分から成り,嚢胞内容液は淡血性であった.病理組織学的にはAntoni A型とB型が混在する良性神経鞘腫と診断された.また嚢胞内容液に多数の精子が認められ,精嚢または精管との交通が疑われた.術後6カ月経過した現在再発は認めていない....

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 66; no. 9; pp. 2306 - 2310
Main Authors 野村, 尚弘, 末永, 昌宏, 武内, 有城, 三輪, 高也, 神田, 光郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 25.09.2005
Subjects
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.66.2306

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Summary:症例は71歳,男性.胃癌にて胃全摘術を施行後外来通院中, 2004年7月の腹部CTにて骨盤内に12×6×8cm大の一部石灰化を伴う多房性の嚢胞性病変を認めた.後腹膜リンパ管腫を疑い, 10月6日腫瘤摘出手術を施行した.腫瘤は後腹膜腔にあり,多房性で厚い被膜を有し膀胱,精嚢,左精管と強く癒着していた.割面は嚢胞性と充実性の部分から成り,嚢胞内容液は淡血性であった.病理組織学的にはAntoni A型とB型が混在する良性神経鞘腫と診断された.また嚢胞内容液に多数の精子が認められ,精嚢または精管との交通が疑われた.術後6カ月経過した現在再発は認めていない.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.66.2306