同側肺内転移を伴った原発性非小細胞肺癌手術例の予後因子と再発形式に関する検討
同側肺内転移を伴った肺癌切除例 (以下pm (+) 例) の予後推定に役立てるべく, 当科での89例 (pm1: 65, pm2: 24) につき, 種々の臨床因子をretrospectiveに検討した.pm1, 2例の3, 5年生存率は各々28.9%, 14.2%と26.6%, 21.3%で両群間に有意差を認めなかった.pm (+) 例を生存期間3年以上群 (n露22) と未満群 (n=67) にわけ比較したところ, CEA値, p-n因子について両群間に有意差を認めた.多変量解析でもp-n因子 (p=0.020), CEA値 (p=0.049) が独立予後因子であった.pm (+) 例のう...
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Published in | 日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 18; no. 2; pp. 88 - 92 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会
15.03.2004
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Subjects | |
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ISSN | 0919-0945 1881-4158 |
DOI | 10.2995/jacsurg.18.88 |
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Summary: | 同側肺内転移を伴った肺癌切除例 (以下pm (+) 例) の予後推定に役立てるべく, 当科での89例 (pm1: 65, pm2: 24) につき, 種々の臨床因子をretrospectiveに検討した.pm1, 2例の3, 5年生存率は各々28.9%, 14.2%と26.6%, 21.3%で両群間に有意差を認めなかった.pm (+) 例を生存期間3年以上群 (n露22) と未満群 (n=67) にわけ比較したところ, CEA値, p-n因子について両群間に有意差を認めた.多変量解析でもp-n因子 (p=0.020), CEA値 (p=0.049) が独立予後因子であった.pm (+) 例のうち, CEA値正常かつp-n 0例 (n=20) の5生率は50.7%で, IB期, II A期手術例 (同: 53.3%, 47.1%) と同程度で, III B期手術例 (同: 9.4%) より有意に予後良好であった.また, 89例中61例で術後再発し, うち53例は遠隔転移で, そのうち肺内転移が56.6% (同側: 対側=13.3: 86.7) と最多であった.以上より, pm (+) 肺癌においては, CEA値, p-n因子が有意な独立予後因子で, 肺内転移の存在のみでIII B期以上とするのには問題があると考えられた. |
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ISSN: | 0919-0945 1881-4158 |
DOI: | 10.2995/jacsurg.18.88 |