腹部大動脈十二指腸瘻の1例

症例は72歳男性. 51歳時に腹部大動脈瘤手術の既往を認めており,突然大量の下血にて当院救急センター受診した. CT, 動脈造影等の精査にて,人工血管近位吻合部の瘤状の変化と人工血管の拡張を認め,大動脈十二指腸瘻の診断となった. 手術は,人工血管を抗生剤に浸した後,解剖学的ルートで再建,吻合部周囲には大網を充填した.本症は,死亡率も高く,先行する前触れ出血を見逃さず,十分な術前検索を行い,また,血行再建にも十分留意する必要があると思われた....

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 61; no. 9; pp. 2352 - 2356
Main Authors 酒井, 信光, 高屋, 潔, 半田, 和義, 大江, 大
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 25.09.2000
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.61.2352

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Summary:症例は72歳男性. 51歳時に腹部大動脈瘤手術の既往を認めており,突然大量の下血にて当院救急センター受診した. CT, 動脈造影等の精査にて,人工血管近位吻合部の瘤状の変化と人工血管の拡張を認め,大動脈十二指腸瘻の診断となった. 手術は,人工血管を抗生剤に浸した後,解剖学的ルートで再建,吻合部周囲には大網を充填した.本症は,死亡率も高く,先行する前触れ出血を見逃さず,十分な術前検索を行い,また,血行再建にも十分留意する必要があると思われた.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.61.2352