慢性肝疾患におけるKiller cell (K-cell) populationの動態に関する研究

慢性肝炎を中心として各種肝疾患々者の末梢血K-cell populationを測定した.方法はヒツジ赤血球を標的細胞としたPlaque-assay法によって行なった.その結果,健康成人14例のK-cell平均値は5.1±2.0% (mean±SD)であり,慢性肝炎28例の平均値は4.5±3.2%であった.この28例をK-cell測定時GPT値が正常の5倍以上の症例14例と,5倍以下の症例にわけて検討すると,5倍以上の症例群のK-cell平均値は2.9±1.7%で,これは対照群と比較して有意に低下(p<0.01)していた.5倍以上の症例群は臨床経過および肝組織像から,慢性活動性肝炎と考えられる症...

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Published in肝臓 Vol. 21; no. 8; pp. 985 - 992
Main Author 森本, 哲雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本肝臓学会 1980
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ISSN0451-4203
1881-3593
DOI10.2957/kanzo.21.985

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Summary:慢性肝炎を中心として各種肝疾患々者の末梢血K-cell populationを測定した.方法はヒツジ赤血球を標的細胞としたPlaque-assay法によって行なった.その結果,健康成人14例のK-cell平均値は5.1±2.0% (mean±SD)であり,慢性肝炎28例の平均値は4.5±3.2%であった.この28例をK-cell測定時GPT値が正常の5倍以上の症例14例と,5倍以下の症例にわけて検討すると,5倍以上の症例群のK-cell平均値は2.9±1.7%で,これは対照群と比較して有意に低下(p<0.01)していた.5倍以上の症例群は臨床経過および肝組織像から,慢性活動性肝炎と考えられる症例がほとんどであった.したがってK-cellの測定は,慢性肝炎のactivityを知るための免疫学的指標の1つになりうると思われる
ISSN:0451-4203
1881-3593
DOI:10.2957/kanzo.21.985