肝十二指腸間膜に発生したsolitary fibrous tumorの1例

肝十二指腸間膜に発生したsolitary fibrous tumorの1例を経験したので報告する.症例は57歳男性.検診にて肝腫瘤を指摘され当科を受診した. USでは尾状葉に径6.5cmの境界が明瞭で,内部は高,低エコー域が混在し, CTでは尾状葉に径6cmの淡く造影される境界明瞭な腫瘍であった. MRIではT1強調像にてlow intensity, T2強調像にてlow~一部iso intensityを示し,腹部血管造影では尾状葉枝からの腫瘍濃染像を伴っており,肝腫瘍を疑い手術を施行した.術中所見では,腫瘍は萎縮した尾状葉に接するように肝十二指腸間膜内に位置し,尾状葉から分岐する血管が栄養血...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 65; no. 5; pp. 1381 - 1385
Main Authors 楠田, 司, 高橋, 幸二, 赤坂, 義和, 永井, 盛太, 村林, 紘二, 宮原, 成樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 25.05.2004
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.65.1381

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Summary:肝十二指腸間膜に発生したsolitary fibrous tumorの1例を経験したので報告する.症例は57歳男性.検診にて肝腫瘤を指摘され当科を受診した. USでは尾状葉に径6.5cmの境界が明瞭で,内部は高,低エコー域が混在し, CTでは尾状葉に径6cmの淡く造影される境界明瞭な腫瘍であった. MRIではT1強調像にてlow intensity, T2強調像にてlow~一部iso intensityを示し,腹部血管造影では尾状葉枝からの腫瘍濃染像を伴っており,肝腫瘍を疑い手術を施行した.術中所見では,腫瘍は萎縮した尾状葉に接するように肝十二指腸間膜内に位置し,尾状葉から分岐する血管が栄養血管であった.摘出標本では6×7.5×5cmの充実性腫瘍で, solitary fibrous tumorと診断した.胸膜外に発生したsolitary fibrous tumorは稀あるが,良性でも再発例が認められ,十分な経過観察が必要である.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.65.1381