MRCPが術前診断に有用であった総胆管結石を合併した重複胆嚢の1例

胆道領域の先天奇形である重複胆嚢は稀な疾患であるが,今回,総胆管結石を合併しMRCPが確定診断に有用であった症例を経験した.症例は63歳,女性.術前のDICCT, ERCPで重複胆嚢が疑われ, MRCPで総胆管結石および副胆嚢結石を伴う重複胆嚢と診断された.開腹下に両胆嚢摘出および総胆管結石摘出を行い,術中胆道造影にてBoyden分類H型, Gross分類B型の重複胆嚢と診断された. 重複胆嚢本邦報告例76例の検討では術前に確定診断された症例は51例 (67%) であり,胆道造影が診断に有用と報告されているが,本症例では総胆管結石および結石の胆嚢頸部嵌頓により胆道造影では確定診断にいたらずMR...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 67; no. 7; pp. 1639 - 1644
Main Authors 南, 盛一, 福島, 剛, 小笠原, 和宏, 山下, 智弘, 野口, 慶太, 腰塚, 靖之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 25.07.2006
Subjects
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.67.1639

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Summary:胆道領域の先天奇形である重複胆嚢は稀な疾患であるが,今回,総胆管結石を合併しMRCPが確定診断に有用であった症例を経験した.症例は63歳,女性.術前のDICCT, ERCPで重複胆嚢が疑われ, MRCPで総胆管結石および副胆嚢結石を伴う重複胆嚢と診断された.開腹下に両胆嚢摘出および総胆管結石摘出を行い,術中胆道造影にてBoyden分類H型, Gross分類B型の重複胆嚢と診断された. 重複胆嚢本邦報告例76例の検討では術前に確定診断された症例は51例 (67%) であり,胆道造影が診断に有用と報告されているが,本症例では総胆管結石および結石の胆嚢頸部嵌頓により胆道造影では確定診断にいたらずMRCPにて診断可能であった.また術中の胆道造影が副胆嚢管の走行確認に有用であった. 胆道奇形が疑われ結石により胆道系の閉塞を伴う症例では,胆道造影とともにMRCPによる評価が有用と考える.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.67.1639