残存主要グリソンに接する再発巣に対し再肝切除を施行した転移性肝癌の1例

症例は61歳男性.平成6年6月,肝転移 (H2) を有する直腸癌 (Rs) に対し,高位前方切除術 (D2) および肝動注カテーテル挿入を施行した.中分化型腺癌で, ss. n l(+), P0, H2, ly1, v0, aw (-), ow (-), ew (-), stage IVであり,術後外来にて動注化学療法施行した.平成7年4月,肝転移巣に対して拡大肝左葉切除術, S7部分切除術を施行した.平成8年12月,腹部CT検査にてグリソン右枝から前区域枝にかけて接する単発の径7cm大の再発肝転移巣を認め,切除困難が予想されたが,肝再切除術を行い得た.術後,肝不全傾向や閉塞性黄疸の所見を認め...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 60; no. 4; pp. 1084 - 1087
Main Authors 三宅, 洋, 富田, 凉一, 柴田, 昌彦, 藤崎, 滋, 福澤, 正洋, 天野, 定雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 25.04.1999
Subjects
グリソン浸潤
再肝切除術
転移性肝癌
Online AccessGet full text
ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.60.1084

Cover

More Information
Summary:症例は61歳男性.平成6年6月,肝転移 (H2) を有する直腸癌 (Rs) に対し,高位前方切除術 (D2) および肝動注カテーテル挿入を施行した.中分化型腺癌で, ss. n l(+), P0, H2, ly1, v0, aw (-), ow (-), ew (-), stage IVであり,術後外来にて動注化学療法施行した.平成7年4月,肝転移巣に対して拡大肝左葉切除術, S7部分切除術を施行した.平成8年12月,腹部CT検査にてグリソン右枝から前区域枝にかけて接する単発の径7cm大の再発肝転移巣を認め,切除困難が予想されたが,肝再切除術を行い得た.術後,肝不全傾向や閉塞性黄疸の所見を認めず,術後35日で軽快退院し,約1年間無再発で生存した.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.60.1084