軟骨化生を伴った乳癌の1例

症例は72歳,女性. 2001年6月に右乳房腫瘤を主訴として当科を受診した.触診, US, MMG, MRI, ABCにて右乳癌と診断し,非定型的乳房切除術ならびに腋窩リンパ節郭清(Bt+Ax)を施行した.切除標本は30×25mm大の充実性腫瘍であり,組織学的に腫瘍部分は上皮性癌巣部分と軟骨肉腫部分が混在した.移行像を一部に認めたため,軟骨化生を伴う乳癌と診断された.また,局所転移巣も上皮性癌巣部分と軟骨肉腫部分が混在し,原発巣と同様の組織像であった.組織学的に骨・軟骨化生を伴う乳癌は浸潤癌の特殊型に属し,その発生頻度は稀である. MIB1などの免疫特殊染色を行い,過去の報告例とともに臨床的特...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 65; no. 5; pp. 1201 - 1204
Main Authors 田中, 秀典, 津屋, 洋, 富田, 弘之, 宮, 喜一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 25.05.2004
Subjects
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.65.1201

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Summary:症例は72歳,女性. 2001年6月に右乳房腫瘤を主訴として当科を受診した.触診, US, MMG, MRI, ABCにて右乳癌と診断し,非定型的乳房切除術ならびに腋窩リンパ節郭清(Bt+Ax)を施行した.切除標本は30×25mm大の充実性腫瘍であり,組織学的に腫瘍部分は上皮性癌巣部分と軟骨肉腫部分が混在した.移行像を一部に認めたため,軟骨化生を伴う乳癌と診断された.また,局所転移巣も上皮性癌巣部分と軟骨肉腫部分が混在し,原発巣と同様の組織像であった.組織学的に骨・軟骨化生を伴う乳癌は浸潤癌の特殊型に属し,その発生頻度は稀である. MIB1などの免疫特殊染色を行い,過去の報告例とともに臨床的特徴や予後について検討し,報告する.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.65.1201