中枢神経浸潤をきたした乳腺悪性リンパ腫の1例

症例は56歳,女性.急激な乳房腫大を主訴に1999年1月11日当科を受診した.左乳房A領域に7cm大の腫瘤が触知され,穿刺針生検で悪性リンパ腫と診断した.腫瘤径が大きく皮膚欠損が予想されるため, CHOP療法1クールを行った後,非定型的乳房切断術昏 (Bt+Ax) を施行した.病理組織検査ではBcell lymphoma, diffuse, medium sized cell typeと診断された.術後, CHOP療法2クールを行い退院したが, 5月中旬から右顎下リンパ節と左前胸腹部皮膚に再発したためCHOP療法を追加(計5クール)した.その後, 10月中旬からふらつき,めまい,が出現し,頭部...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 62; no. 6; pp. 1394 - 1398
Main Authors 島田, 健太郎, 児島, 祐, 薮内, 裕也, 山下, 潤
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 25.06.2001
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.62.1394

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Summary:症例は56歳,女性.急激な乳房腫大を主訴に1999年1月11日当科を受診した.左乳房A領域に7cm大の腫瘤が触知され,穿刺針生検で悪性リンパ腫と診断した.腫瘤径が大きく皮膚欠損が予想されるため, CHOP療法1クールを行った後,非定型的乳房切断術昏 (Bt+Ax) を施行した.病理組織検査ではBcell lymphoma, diffuse, medium sized cell typeと診断された.術後, CHOP療法2クールを行い退院したが, 5月中旬から右顎下リンパ節と左前胸腹部皮膚に再発したためCHOP療法を追加(計5クール)した.その後, 10月中旬からふらつき,めまい,が出現し,頭部MRIで,悪性リンパ腫の中枢神経浸潤と診断した.悪性リンパ腫の中枢神経浸潤は非Hodgkinリンパ腫の9%にみられ,極めて予後不良である.今回,乳腺悪性リンパ腫の中枢神経浸潤例を経験したので,文献的考察を加えて報告する.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.62.1394