大腸癌術後長期生存率からみた高齢者の位置づけ

今回われわれは,高齢者消化器外科手術に当たり,何歳以上を高齢者と考え対処すべきかを大腸癌術後の5年生存率から考察した. 1984年から1999年12月までに当院で手術した初発大腸癌手術症例560例を5歳ごとの年齢で区切り5年生存率, 10年生存率を他病死を含めた場合と除外した場合とで各群で比較検討した.その結果他病死を除いた5年生存率, 10年生存率は年代によって差はないものの他病死を含めた生存率は70歳未満は70歳以上と比較すると有意に良好であった.その原因は70歳以上で明らかに他病死が増えることであり,手術前後の合併症や併存症によるものではなかった.他病死を含めた生存率を検討した結果, 7...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 63; no. 5; pp. 1080 - 1084
Main Authors 成田, 洋, 伊藤, 昭敏, 羽藤, 誠記, 宮井, 博隆, 神谷, 保廣, 小林, 建司, 森本, 幸治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 25.05.2002
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.63.1080

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Summary:今回われわれは,高齢者消化器外科手術に当たり,何歳以上を高齢者と考え対処すべきかを大腸癌術後の5年生存率から考察した. 1984年から1999年12月までに当院で手術した初発大腸癌手術症例560例を5歳ごとの年齢で区切り5年生存率, 10年生存率を他病死を含めた場合と除外した場合とで各群で比較検討した.その結果他病死を除いた5年生存率, 10年生存率は年代によって差はないものの他病死を含めた生存率は70歳未満は70歳以上と比較すると有意に良好であった.その原因は70歳以上で明らかに他病死が増えることであり,手術前後の合併症や併存症によるものではなかった.他病死を含めた生存率を検討した結果, 70歳以上を高齢者とみ過不足のない手術を慎重に検討すべきであると結論できた.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.63.1080