1~3週齢および6~8週齢における子羊とその母羊の音声構造
1-3週齢および6-8週齢における子羊とそれらの母羊間の基本周波数, ホルマント, 発声時間の音声構造について検討した。1-3週齢において母羊の開口時の基本周波数は, 閉口時に比べ高く (P<0.05), また母羊の第1ホルマントは, 閉口声の方が開口声よりも高く (P<0.05), 舌が低い位置で発声していると考えられ, 母羊から子羊への世話行動を示唆した。子羊の基本周波数は, 1-3週齢において雄の方が雌に比べて高く (P<0.05), また発声時間は雄の方が雌より長かった (P<0.05) ことから, 性差のあることが示唆された。基本周波数は, 1-3週齢および6...
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| Published in | 日本緬羊研究会誌 Vol. 2006; no. 43; pp. 7 - 12 |
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| Main Author | |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本緬羊研究会
2006
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| ISSN | 0389-1305 2186-1013 |
| DOI | 10.11595/jpnjsheepsci1964.2006.7 |
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| Summary: | 1-3週齢および6-8週齢における子羊とそれらの母羊間の基本周波数, ホルマント, 発声時間の音声構造について検討した。1-3週齢において母羊の開口時の基本周波数は, 閉口時に比べ高く (P<0.05), また母羊の第1ホルマントは, 閉口声の方が開口声よりも高く (P<0.05), 舌が低い位置で発声していると考えられ, 母羊から子羊への世話行動を示唆した。子羊の基本周波数は, 1-3週齢において雄の方が雌に比べて高く (P<0.05), また発声時間は雄の方が雌より長かった (P<0.05) ことから, 性差のあることが示唆された。基本周波数は, 1-3週齢および6-8週齢ともに子羊の方が母羊よりも高かった (P<0.05) ことから, 発声構造の特徴が示された。6-8週齢における子羊の第1ホルマントは, 雄子羊の方が雌子羊よりも高く (P<0.05), また子羊の方がそれらの母羊よりも第1ホルマントが高く (P<0.05), いずれにおいても舌が低い位置で発声していると考えられた。さらには6-8週齢における第2ホルマントも子羊の方がそれらの母羊よりも高く (P<0.05), 舌が前寄りの位置で発声していると考えられた。母子羊間の基本周波数は, 6-8週齢の方が1-3週齢より高く (P<0.05), 発達過程の行動と音声の多様性を示唆した。子羊の雌雄間における第2ホルマントは6-8週齢の方が1-3週齢よりも高く (P<0.05), 生後6-8週齢においては1-3週齢に比べて, 雌雄ともに舌が前よりの位置で発声していると考えられた。6-8週齢における子羊の第1ホルマントは, 雄が雌に比べて高く (P<0.05), 6-8週齢の雄子羊は雌子羊と比べて舌が低い位置で発声していると考えられた。また発声時間は1-3週齢の方が6-8週齢よりも長く (P<0.05), 子羊から母羊への世話要求行動を示唆した。雄間の第1ホルマントと雌間の第2ホルマントは, それぞれ生後6-8週齢の方が生後1-3週齢よりも高く (P<0.05), 6-8週齢の雌雄子羊の発声は発達段階にともなう舌の高低および前後の使い分けによるものと示唆された。発声時間は母子羊において開口声の方が閉口声よりも長かった (P<0.05) ことから, 口の開閉による発声は個体間における適応的な関係にあることが示された。成羊における4品種間の発声構造には違いが見られ, とくにプィニッシュランドレース種の基本周波数, ホルマント構造, 発声時間には品種の特性が現れていた。 |
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| ISSN: | 0389-1305 2186-1013 |
| DOI: | 10.11595/jpnjsheepsci1964.2006.7 |