母および子めん羊の血清中コルチゾール濃度およびIgG濃度におよぼす早期離乳の影響

1.5ヵ月齢の早期離乳前後における母めん羊ならびに子めん羊の血清中コルチゾール濃度および血清中IgG濃度の変化から, 早期離乳がストレスの要因となり得るか否かを評価する目的で試験を実施した。4組の母子を3.5ヵ月齢 (対照群) で, 3組の母子を1.5ヵ月齢 (早期離乳群) で離乳し, 離乳前後30分および離乳後2, 3, 6日目, 1, 3, 6週間目に血清中コルチゾールおよびIgG濃度を測定し, 以下の結果を得た。 1) 子めん羊では, 対照群と早期離乳群の間には血清中コルチゾールおよびIgG濃度に有意な違いは認められなかった。早期離乳群では血清中IgG濃度が離乳後6週間目に有意に高くなっ...

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Published in日本緬羊研究会誌 Vol. 1997; no. 34; pp. 8 - 13
Main Authors 金, 海, 関根, 純二郎, 小林, かおり, 大浦, 良三, 菱沼, 貢
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本緬羊研究会 1997
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ISSN0389-1305
2186-1013
DOI10.11595/jpnjsheepsci1964.1997.8

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Summary:1.5ヵ月齢の早期離乳前後における母めん羊ならびに子めん羊の血清中コルチゾール濃度および血清中IgG濃度の変化から, 早期離乳がストレスの要因となり得るか否かを評価する目的で試験を実施した。4組の母子を3.5ヵ月齢 (対照群) で, 3組の母子を1.5ヵ月齢 (早期離乳群) で離乳し, 離乳前後30分および離乳後2, 3, 6日目, 1, 3, 6週間目に血清中コルチゾールおよびIgG濃度を測定し, 以下の結果を得た。 1) 子めん羊では, 対照群と早期離乳群の間には血清中コルチゾールおよびIgG濃度に有意な違いは認められなかった。早期離乳群では血清中IgG濃度が離乳後6週間目に有意に高くなったが, 免疫機能の作動の結果であると推察された。それ以外は両群とも, 離乳後における変化は認められなかった。 2) 母めん羊でも, 対照群と早期離乳群の間には血清中コルチゾールおよびIgG濃度に有意な違いは認められなかった。対照群では, 血清中コルチゾール濃度が離乳前で離乳直後より有意に高い値となったが, その理由は明らかではなかった。 3) 本研究では, 母ならびに子めん羊の血清中コルチゾール濃度および血清中IgG濃度の変化からは, 早期離乳がストレスの要因とならないであろうと結論された。
ISSN:0389-1305
2186-1013
DOI:10.11595/jpnjsheepsci1964.1997.8