曲がり角に立つ重症心身障害医療  重症心身障害児施設での卒後臨床研修の意義

卒後医師臨床研修が必須化されて3年が経過する. 長崎病院においては重症心身障害医療プログラムを管理型病院の小児科研修の中に組み込み, 初期臨床研修に協力施設として参画してきた. 長崎病院での経験から, 卒後医師臨床研修と重症心身障害医療について検討してみた. 重症心身障害児(者)施設で展開されている医療は臨床研修の必須分野ではないが, 医師としての人格の涵養を図るという点において卒後研修に関与する点が大であった. 一方, 研修指導にあたる重症心身障害児(者)病棟担当医自身にとっても日常マンネリ化しやすい重症心身障害医療を再認識する機会となり, 技術向上への意欲をかきたたせる契機となっている....

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Published inJapanese Journal of National Medical Services Vol. 61; no. 11; pp. 731 - 736
Main Author HIRAMATSU Kozaburo
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published Japanese Society of National Medical Services 2007
一般社団法人 国立医療学会
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ISSN0021-1699
1884-8729
DOI10.11261/iryo1946.61.731

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Summary:卒後医師臨床研修が必須化されて3年が経過する. 長崎病院においては重症心身障害医療プログラムを管理型病院の小児科研修の中に組み込み, 初期臨床研修に協力施設として参画してきた. 長崎病院での経験から, 卒後医師臨床研修と重症心身障害医療について検討してみた. 重症心身障害児(者)施設で展開されている医療は臨床研修の必須分野ではないが, 医師としての人格の涵養を図るという点において卒後研修に関与する点が大であった. 一方, 研修指導にあたる重症心身障害児(者)病棟担当医自身にとっても日常マンネリ化しやすい重症心身障害医療を再認識する機会となり, 技術向上への意欲をかきたたせる契機となっている. また, 卒後臨床研修の場での重症心身障害医療の啓蒙は, 将来の重症心身障害医療を支える医師を招致するきっかけになっていると信じたい. 大学派遣に頼っていた医師供給体制が変わりつつある中で, 重症心身障害児(者)病棟における医師確保という点でも, 医師臨床研修への参画は意義あるものと考える.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.61.731