生ごみ埋立処分の発酵前処理による環境負荷削減

生ごみの埋立における発酵前処理による環境負荷削減効果を検証するために, 3種類の供試材料を用いて埋立実験を行った。3種類の供試材料として, 生ごみの好気性発酵 (コンポスト化) 処理物 (C槽) の他に, 未破砕生ごみ (A槽) , 破砕生ごみ (B槽) を対照として用いた。埋立実験は改良型嫌気的衛生埋立構造の大型埋立模型槽を屋外に設置し約7年間行った。埋立実験終了時における埋立初期の単位有機物量 (乾重基準) あたりの表面での沈下量は, C槽では1.3mm/kgとなりA, B槽と比較し小さかった。また, 埋立初期の有機物量100kgに対する物質収支 (乾重基準) から, C槽では発酵前処理に...

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Published in廃棄物学会論文誌 Vol. 13; no. 1; pp. 31 - 40
Main Author 惠谷, 浩
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 廃棄物資源循環学会 01.01.2002
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ISSN1883-1648
1883-163X
DOI10.3985/jswme.13.31

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Summary:生ごみの埋立における発酵前処理による環境負荷削減効果を検証するために, 3種類の供試材料を用いて埋立実験を行った。3種類の供試材料として, 生ごみの好気性発酵 (コンポスト化) 処理物 (C槽) の他に, 未破砕生ごみ (A槽) , 破砕生ごみ (B槽) を対照として用いた。埋立実験は改良型嫌気的衛生埋立構造の大型埋立模型槽を屋外に設置し約7年間行った。埋立実験終了時における埋立初期の単位有機物量 (乾重基準) あたりの表面での沈下量は, C槽では1.3mm/kgとなりA, B槽と比較し小さかった。また, 埋立初期の有機物量100kgに対する物質収支 (乾重基準) から, C槽では発酵前処理により易分解性成分量がわずかとなっているために, 埋立による減少量は10kgと小さくなった。発酵前処理を合わせるとA, B槽と比較し, 減少量は62kgとほぼ同程度になり, BOD流出量は2kgと小さくなり, ガス化量が60kgでその中CH4ガスは3kgと小さくなることがわかった。 以上のことから, 生ごみは発酵前処理し埋め立てると, 浸出水汚濁負荷量が大きく低減し, 表面での沈下が早く安定化し小さくなるとともに, CH4ガス発生量が少なくなり地球温暖化防止に効果があることが確かめられた。
ISSN:1883-1648
1883-163X
DOI:10.3985/jswme.13.31