カンキツ果実におけるカロテノイドの調節機構 カロテノイドを蓄積させるための様々な要因とは

カンキツ果実は,果皮や果肉にカロテノイドを豊富に蓄積し,鮮やかなオレンジ色を示す.このカロテノイドの含量と組成はカンキツ品種間において多様であり,果実の市場価値を決める重要な指標である(1).化学構造に酸素原子を含むカロテノイドのキサントフィルは,ほとんどのカンキツ品種の果実に蓄積されている(2).ウンシュウミカンに多く含まれる機能性成分のβ-クリプトキサンチンもキサントフィルの一種である.カンキツ果実の成熟過程におけるカロテノイドの蓄積は,生合成遺伝子,代謝分解遺伝子および転写因子によって調節されている.本稿では,カロテノイド蓄積の調節に関する最近の研究について紹介する....

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Bibliographic Details
Published in化学と生物 Vol. 60; no. 8; pp. 402 - 409
Main Authors 馬, 剛, 加藤, 雅也, 張, 嵐翠
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本農芸化学会 01.08.2022
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ISSN0453-073X
1883-6852
DOI10.1271/kagakutoseibutsu.60.402

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Summary:カンキツ果実は,果皮や果肉にカロテノイドを豊富に蓄積し,鮮やかなオレンジ色を示す.このカロテノイドの含量と組成はカンキツ品種間において多様であり,果実の市場価値を決める重要な指標である(1).化学構造に酸素原子を含むカロテノイドのキサントフィルは,ほとんどのカンキツ品種の果実に蓄積されている(2).ウンシュウミカンに多く含まれる機能性成分のβ-クリプトキサンチンもキサントフィルの一種である.カンキツ果実の成熟過程におけるカロテノイドの蓄積は,生合成遺伝子,代謝分解遺伝子および転写因子によって調節されている.本稿では,カロテノイド蓄積の調節に関する最近の研究について紹介する.
ISSN:0453-073X
1883-6852
DOI:10.1271/kagakutoseibutsu.60.402