周期熱の1症例
55才の男性,高校教師. 20数年以上の間, 2日間37.5°Cから38.5°Cの発熱, 3日間平熱という,ほぼ5日を周期とする周期熱をくり返した.本症例は日本在住で,海外旅行の経験はなかつた.有熱時,軽い咳嗽を認める以外,自覚症に特徴的なものはなかつた.検査所見上,血清抗体価を含めてマラリアは否定された.さらに有熱期,無熱期に分けて一般検査,ならびにetiocholanoloneを中心に17-KSの分画定量, catecholamineの定量などのホルモン測定を行なつたが,特異的所見はみられなかつた.治療として,各種抗生物質, colchicine, reserpine, prednisol...
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          | Published in | 日本内科学会雑誌 Vol. 74; no. 3; pp. 346 - 350 | 
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| Main Authors | , , , , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            一般社団法人 日本内科学会
    
        1985
     | 
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| ISSN | 0021-5384 1883-2083  | 
| DOI | 10.2169/naika.74.346 | 
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| Summary: | 55才の男性,高校教師. 20数年以上の間, 2日間37.5°Cから38.5°Cの発熱, 3日間平熱という,ほぼ5日を周期とする周期熱をくり返した.本症例は日本在住で,海外旅行の経験はなかつた.有熱時,軽い咳嗽を認める以外,自覚症に特徴的なものはなかつた.検査所見上,血清抗体価を含めてマラリアは否定された.さらに有熱期,無熱期に分けて一般検査,ならびにetiocholanoloneを中心に17-KSの分画定量, catecholamineの定量などのホルモン測定を行なつたが,特異的所見はみられなかつた.治療として,各種抗生物質, colchicine, reserpine, prednisoloneなどの投与を行なつたが,効果はえられなかつた.本例を本邦で報告された周期熱と対比して検討した.以上より,本例は本態性周期熱といわれるものと考えられた. | 
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| ISSN: | 0021-5384 1883-2083  | 
| DOI: | 10.2169/naika.74.346 |