短期間に再発した腸重積に対し,術中内視鏡にてポリープ摘除を行ったPeutz-Jeghers症候群の1例
症例は30歳,男性で, 12歳のときに腸重積にて開腹手術をうけPeutz-Jeghers症候群と診断されている.今回は,腹痛,嘔吐を主訴に来院し, CTにて空腸と回盲部の2カ所に腸重積を指摘された.小腸腫瘍による腸重積の診断にて開腹したところ,回盲部のみに重積を認めたため,これを解除し重積先進部の回腸部分切除術を行った. しかし術後5日目に腸重積の再発を認め,術後12日目に再手術を行った.開腹したところ,空腸に重積を認めたのでこれを解除し,今後の重積の再発予防のため,ポリープを可及的に摘除することとし,空腸に切開を入れて,内視鏡を挿入し, 10カ所のポリープ摘除を施行した. 二回目の手術以降は...
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| Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 65; no. 3; pp. 708 - 712 |
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| Main Authors | , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本臨床外科学会
25.03.2004
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| Subjects | |
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| ISSN | 1345-2843 1882-5133 |
| DOI | 10.3919/jjsa.65.708 |
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| Summary: | 症例は30歳,男性で, 12歳のときに腸重積にて開腹手術をうけPeutz-Jeghers症候群と診断されている.今回は,腹痛,嘔吐を主訴に来院し, CTにて空腸と回盲部の2カ所に腸重積を指摘された.小腸腫瘍による腸重積の診断にて開腹したところ,回盲部のみに重積を認めたため,これを解除し重積先進部の回腸部分切除術を行った. しかし術後5日目に腸重積の再発を認め,術後12日目に再手術を行った.開腹したところ,空腸に重積を認めたのでこれを解除し,今後の重積の再発予防のため,ポリープを可及的に摘除することとし,空腸に切開を入れて,内視鏡を挿入し, 10カ所のポリープ摘除を施行した. 二回目の手術以降は,重積の再発を認めずに退院し,術後14カ月を経過した現在も再発を起こしていない. Peutz-Jeghers症候群では,小腸の腸重積や消化管出血を繰り返し,頻回の開腹術が行われる場合があるが,開腹下にポリープの内視鏡的摘除を行うことにより,腸重積や出血といった症状の無再発期間の延長を期待できる. |
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| ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
| DOI: | 10.3919/jjsa.65.708 |