Graft-enteric fistula の2治験例

1971年1月から1990年3月までのY型人工血管移植症例は285例で, そのうち4例 (1.4%) の人工血管腸管瘻 (graft-enteric fistula) を経験し, 2例は確診がえられないままに大量下血により死亡したが, 2例を手術により救命することができた. 手術は, 感染人工血管の完全摘出の上で新しく移植した人工血管の omental wrap あるいは extra-anatomical bypass 術が有効であったが, この手術はきわめて難渋するため, このような病態が生じないためには初回の手術時に, 人工血管と腸管が直接隣接しないような予防策を講じる必要があると考える....

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Published in日本心臓血管外科学会雑誌 Vol. 21; no. 2; pp. 204 - 206
Main Authors 桃崎, 雅弘, 大石, 喜六, 小須賀, 健一, 剣持, 邦彦, 久保田, 義健, 浦口, 憲一郎, 藤野, 隆之, 山名, 一有
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会 1992
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ISSN0285-1474
1883-4108
DOI10.4326/jjcvs.21.204

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Summary:1971年1月から1990年3月までのY型人工血管移植症例は285例で, そのうち4例 (1.4%) の人工血管腸管瘻 (graft-enteric fistula) を経験し, 2例は確診がえられないままに大量下血により死亡したが, 2例を手術により救命することができた. 手術は, 感染人工血管の完全摘出の上で新しく移植した人工血管の omental wrap あるいは extra-anatomical bypass 術が有効であったが, この手術はきわめて難渋するため, このような病態が生じないためには初回の手術時に, 人工血管と腸管が直接隣接しないような予防策を講じる必要があると考える.
ISSN:0285-1474
1883-4108
DOI:10.4326/jjcvs.21.204