粉末状活性炭シート型吸着器の臨床使用の経験について

蛋白除去能に優れているとされている, 粉末状活性炭(以下UPC)を用い, 肝不全4例, 薬剤性肝障害2例に対し計11回のDHPを行なった。また, 原発性胆汁性肝硬変症1例にPoly-HEMA系coatingのビーズ状炭によるDHPを施行し両活性炭の吸着能を比較した。UPC使用群でのT・Bilの除去率は33.3%で, ビーズ状炭使用例の19.4%に比べ明らかに優れていた。肝不全例での血小板数の減少率は44.3%であり, 薬剤性肝障害例では, 64.4%であった。フィブリノーゲンの減少率は両者とも約30%であった。肝不全と腎不全を合併し血漿交換を施行した症例の血漿を用い, UPCにより再循環式の体...

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Published in人工臓器 Vol. 15; no. 3; pp. 1459 - 1462
Main Authors 柳井, 利之, 藤城, 敏高, 池亀, 守, 三戸部, 京子, 川島, 司郎, 三浦, 信彦, 長谷川, 寛, 水野, 雅夫, 村井, 澄子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本人工臓器学会 1986
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ISSN0300-0818
1883-6097
DOI10.11392/jsao1972.15.1459

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Summary:蛋白除去能に優れているとされている, 粉末状活性炭(以下UPC)を用い, 肝不全4例, 薬剤性肝障害2例に対し計11回のDHPを行なった。また, 原発性胆汁性肝硬変症1例にPoly-HEMA系coatingのビーズ状炭によるDHPを施行し両活性炭の吸着能を比較した。UPC使用群でのT・Bilの除去率は33.3%で, ビーズ状炭使用例の19.4%に比べ明らかに優れていた。肝不全例での血小板数の減少率は44.3%であり, 薬剤性肝障害例では, 64.4%であった。フィブリノーゲンの減少率は両者とも約30%であった。肝不全と腎不全を合併し血漿交換を施行した症例の血漿を用い, UPCにより再循環式の体外実験を行ない諸蛋白成分の除去能をみたが, T・Bilの除去率は64.7%であり, 蛋白物質ではβ2-MGの除去率が97.6%と最も大きかった。
ISSN:0300-0818
1883-6097
DOI:10.11392/jsao1972.15.1459