胃内視鏡を契機としたペースメーカー感染の1治験例

患者は58歳, 女性で, 胃内視鏡の偶発症として頸部フレグモーネを起こし, 感染の直接波及によりペースメーカーリード感染をきたした. さまざまな局所治療にて根治できず最終的に三尖弁疣贅を伴う感染性心内膜炎になった. これに対して開心術下リード摘出を行い治癒できた. ペースメーカー患者では感染を誘発する可能性のある検査処置時には予防的抗生剤の投与が必要である. また, ペースメーカー感染には感染早期にリード摘出を積極的に行うべきであり, 敗血症をきたせば開心術下摘出も躊躇すべきではない....

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Published in日本心臓血管外科学会雑誌 Vol. 26; no. 3; pp. 175 - 178
Main Authors 岡田, 稔, 芦田, 泰之, 谷口, 巌, 山家, 武
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会 15.05.1997
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ISSN0285-1474
1883-4108
DOI10.4326/jjcvs.26.175

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Summary:患者は58歳, 女性で, 胃内視鏡の偶発症として頸部フレグモーネを起こし, 感染の直接波及によりペースメーカーリード感染をきたした. さまざまな局所治療にて根治できず最終的に三尖弁疣贅を伴う感染性心内膜炎になった. これに対して開心術下リード摘出を行い治癒できた. ペースメーカー患者では感染を誘発する可能性のある検査処置時には予防的抗生剤の投与が必要である. また, ペースメーカー感染には感染早期にリード摘出を積極的に行うべきであり, 敗血症をきたせば開心術下摘出も躊躇すべきではない.
ISSN:0285-1474
1883-4108
DOI:10.4326/jjcvs.26.175