Leriche症候群を合併した直腸癌の1例
われわれは, Leriche症候群を合併した直腸癌の1例を経験し,下肢への血流および腸管への血流の両面から術式を検討し,良好な結果を得たので報告する. 症例は68歳男性で,左第1趾疹痛および間欠性践行を主訴に来院.血管造影にて大動脈は腎動脈分岐部直下より先細りとなり下腸間膜動脈分岐部の高さで閉塞していた.手術待機中にイレウスを生じ,精査にて直腸S状部(Rs)にBorrmann 2型の癌を認め,これがイレウスの原因と考えられた.また左上葉に1.8×1.7cmの結節陰影を認め,肺転移と考えられた. まず第1回手術で人工肛門造設と同時に右腋窩-両大腿動脈バイパスを行い下肢および内腸骨動脈系への血流を...
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Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 59; no. 3; pp. 768 - 772 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床外科学会
25.03.1998
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Subjects | |
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ISSN | 1345-2843 1882-5133 |
DOI | 10.3919/jjsa.59.768 |
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Summary: | われわれは, Leriche症候群を合併した直腸癌の1例を経験し,下肢への血流および腸管への血流の両面から術式を検討し,良好な結果を得たので報告する. 症例は68歳男性で,左第1趾疹痛および間欠性践行を主訴に来院.血管造影にて大動脈は腎動脈分岐部直下より先細りとなり下腸間膜動脈分岐部の高さで閉塞していた.手術待機中にイレウスを生じ,精査にて直腸S状部(Rs)にBorrmann 2型の癌を認め,これがイレウスの原因と考えられた.また左上葉に1.8×1.7cmの結節陰影を認め,肺転移と考えられた. まず第1回手術で人工肛門造設と同時に右腋窩-両大腿動脈バイパスを行い下肢および内腸骨動脈系への血流を確保し, 2週後に第2回手術として直腸癌切除および肺転移の胸腔鏡下切除を行い良好な結果を得た. |
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ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
DOI: | 10.3919/jjsa.59.768 |