混合性結合織病の経過中に原発性胆汁性肝硬変症を合併した1症例

混合性結合織病(MCTD)の経過中に原発性胆汁性肝硬変症(PBC)を合併した1症例を報告する.症例は48歳,女性.13年前に発熱,多発性関節痛を主訴に入院.Raynaud現象,心膜炎,抗核抗体陽性,抗RNP抗体単独高値,また大腿筋痛,嚥下障害などの自覚所見より,MCTDと診断され,副腎皮質ステロイド剤投与により,外来にて経過観察されていた.2ヵ月前より,血清アルカリフォスファターゼ値の上昇を認め,再入院.抗ミトコンドリア抗体陽性で,肝生検によりScheuer分類第1期のPBCと診断された.両疾患の合併の報告は現在までほとんどみられないが,前者の経過中,後者が発症したことは興味あり,その関連性に...

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Published in肝臓 Vol. 30; no. 8; pp. 919 - 923
Main Authors 武内, 正紀, 永渕, 正法, 長沢, 浩平, 島村, 隆二, 上田, 章, 石橋, 大海, 工藤, 二郎, 道免, 和文
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本肝臓学会 1989
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ISSN0451-4203
1881-3593
DOI10.2957/kanzo.30.919

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Summary:混合性結合織病(MCTD)の経過中に原発性胆汁性肝硬変症(PBC)を合併した1症例を報告する.症例は48歳,女性.13年前に発熱,多発性関節痛を主訴に入院.Raynaud現象,心膜炎,抗核抗体陽性,抗RNP抗体単独高値,また大腿筋痛,嚥下障害などの自覚所見より,MCTDと診断され,副腎皮質ステロイド剤投与により,外来にて経過観察されていた.2ヵ月前より,血清アルカリフォスファターゼ値の上昇を認め,再入院.抗ミトコンドリア抗体陽性で,肝生検によりScheuer分類第1期のPBCと診断された.両疾患の合併の報告は現在までほとんどみられないが,前者の経過中,後者が発症したことは興味あり,その関連性について若干の考察を加えた.
ISSN:0451-4203
1881-3593
DOI:10.2957/kanzo.30.919